元十両・琴裕将が現役を引退、若者頭に転身へ…レスリング部出身、関取在位2場所 元十両・大成龍も引退

[ 2024年9月26日 08:43 ]

琴裕将
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 日本相撲協会は25日、秋場所限りで引退した力士を発表した。既に発表されている元大関・貴景勝(28=常盤山部屋)、元関脇・妙義龍(37=境川部屋)、元関脇・碧山(38=春日野部屋)の3人の他に、幕下以下8人の引退が新たに発表された。元十両の琴裕将(30=佐渡ケ嶽部屋)は、現役引退と同時に「若者頭」として相撲協会に残ることも決まった。

 奈良県橿原市出身の琴裕将は、高校時代にレスリングのフリースタイル120キロ級で国体優勝、全国高校総体準優勝などの実績を持ち、法政大レスリング部を中退して相撲に転向した異色の経歴の持ち主。佐渡ケ嶽部屋に入門し「琴稲垣」のしこ名で2016年春場所で初土俵を踏んだ。高校大学での相撲経験はなかったが、序ノ口デビューの同年夏場所では日大相撲部出身の木崎(現幕内・美ノ海)を破って周囲を驚かせた。入門から2年で幕下に昇進し、2019年春場所から「琴裕将」に改名。力強い右四つや押しを得意とし、2022年初場所で新十両昇進を果たした。

 関取には2場所在位したが、同年夏場所で幕下に転落して以降は幕下上位から中位での生活が続いていた。現役最後の場所となった秋場所は、東幕下11枚目で1勝6敗。13日目に最後の相撲を取り終えた花道では、入門2場所違いで教習所同期の部屋の大関・琴桜(26)が出迎える場面もあった。最高位は東十両13枚目(2022年初場所)。力士生活8年半で通算成績は186勝178敗2休だった。

 この日、佐渡ケ嶽部屋では琴手計改め琴栄峰(21)の新十両昇進会見が行われており、引退を発表したばかりの琴裕将の姿も。報道陣に対応したり会見場の設営を手伝ったりと、若者頭として“初仕事”をこなしていた。

 元十両の大成龍(31=木瀬部屋)も引退。東三段目78枚目で臨んだ秋場所は3勝4敗で取り終えた。千秋楽の花道では、長く付け人を務めていた同学年の幕内・宇良ら木瀬部屋の力士たち、入門時に同部屋だった山響部屋の力士たちも含め大勢に出迎えられていた。

 青森県八戸市出身の大成龍は、小6で全日本小学生相撲優勝大会準優勝、八戸水産高3年時に国体8強などアマチュア時代から活躍していた。3歳上の兄・笹山がいた北の湖部屋(当時)に入門。「笹ノ山」のしこ名で2011年技量審査場所で初土俵を踏んだ。同期生には照ノ富士や栃丸、明生らがいた。2012年4月から木瀬部屋所属に。2016年秋場所から「大成道」に改名し、得意の押し相撲を磨いて2017年秋場所で新十両昇進を果たした。

 新十両場所は勝ち越したが、翌九州場所で大きく負け越して幕下転落。1度は関取復帰を果たしたが、関取在位は3場所にとどまった。2021年秋場所から「大成龍」に改名。2022年秋場所では幕下優勝を果たした。最高位は西十両12枚目(2017年九州場所)。力士生活13年半で通算成績は291勝279敗7休だった。

 この日新たに引退を発表した力士は以下の8人。
 ▽三段目
葵(32=錣山部屋)、大成龍(31=木瀬部屋)
 ▽序二段
北勝岩(20=八角部屋)、越ノ龍(45=藤島部屋)、北勝波(31=八角部屋)
 ▽序ノ口
里田中(17=西岩部屋)、道颯(21=阿武松部屋)

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