能登復興へ 羽生結弦さん 祈りの舞「少しでも笑顔の輪が」 こだわりの演技、演出でチャリティー実施

[ 2024年9月16日 05:30 ]

「能登半島復興支援チャリティー演技会」に出演し、「春よ、来い」を演じた羽生さん(C)矢口亨
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 フィギュアスケート男子の五輪連覇者でプロスケーターの羽生結弦さん(29)が15日、金沢市内で行われた「能登半島復興支援チャリティー演技会」に出演した。ソロナンバーで名曲「春よ、来い」を披露し、出演者全員でMrs. GREEN APPLEの「ケセラセラ」を笑顔で舞った。「少しでも笑顔の輪が広がってくれたらいいなと思いながら滑った」と話した。

 今回の演技会は招待された北陸地区の子供たちのみ現地観覧。映像配信サービス「Lemino」を通して生配信し、収益を石川県に寄付する。映像配信なら場所の制限はなかったが、被災地の近くで滑ることに意義を感じた。通年リンクのない石川県内に氷を張り、極力予算を抑えるため特殊照明は使わずに会場照明だけの演技だった。

 姿勢を低くして体全体を氷上に近づけるハイドロブレーディングでは「鎮まってほしい気持ち」を込めた。「この場所から波動としてちょっとでも空気が動いて、皆さまの元に届けと思った」。羽生さんらしいエールだった。

 11年の東日本大震災で被災した羽生さんは6月、能登地方に足を運び「凄く胸が痛んだ」と言う。「いい意味で知名度を使い、お金でも注目度でも、少しでも力になれれば」。全身全霊の舞は配信チケットを購入した1万人以上のファン、そしてパブリックビューイングが行われた被災地に確かに届いた。 (大和 弘明)

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