【出雲駅伝】駒大 大会新で連覇!史上初2季連続3冠へ“第一関門突破” 圧勝で藤田監督初陣飾った

[ 2023年10月10日 04:44 ]

出雲全日本大学選抜駅伝 ( 2023年10月9日    島根・出雲大社正門鳥居前~出雲ドーム前 )

ゴールする駒大アンカーの鈴木芽吹
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 学生3大駅伝の初戦として行われ、昨年度3冠の駒大が2時間7分51秒の大会新記録で2年連続5度目の優勝を果たした。区間新記録こそ生まれなかったが、1区・篠原倖太朗(3年)、2区・佐藤圭汰(2年)、6区・鈴木芽吹(4年)が区間賞を獲得する総合力の高さで圧勝した。今春、就任した男子マラソン元日本記録保持者でOBの藤田敦史監督(46)も駅伝初陣を最高の形で飾り、史上初の2年連続3冠へ第一関門を突破した。

 絶対的エースはいない。だが、強い。鈴木がゴールになだれ込むと、駒大の歓喜の輪が広がった。藤田監督は鈴木や前任の大八木弘明総監督(65)に続いて3番目に胴上げされ、控えめに笑った。新指揮官は「子供たちが一生懸命頑張って優勝を届けてくれた。これ以上うれしいことはない」とねぎらい、鈴木も「胴上げできてうれしい」と喜んだ。

 今年のテーマ「最強チームへの挑戦」を体現した。1区の篠原がトップで足場を築く。杭州アジア大会5000メートルから中4日の佐藤は、疲労蓄積ながら力走。21年1万メートル日本選手権3位の鈴木主将がアンカーとしての役割を全うした。ゴールまでラスト3キロ、指揮官は興奮を隠せない。サポートメンバーで作ったグループラインに投稿。「(2時間)7分台いけるぞ!」。その言葉通り、昨年の大会記録を41秒更新した。

 今春、ヘッドコーチから昇格した。世界選手権1万メートル2大会連続代表の支柱・田沢(トヨタ自動車)も卒業し、チームの底上げに着手した。鈴木、篠原、佐藤は、大八木総監督と師弟関係の続く田沢とのSチームで世界基準の練習を消化。藤田監督はA、Bチームを中心に指導しながら各選手の特長をじっくり見定めてきた。

 この日は状態の上がらない篠原をあえて横一線スタートの1区に配置。闘争本能を引き出した。アップダウンが激しく向かい風予報だった3区は「絶対に山川」。馬力あるランナーを選び、リードを広げた。前夜は「果たしてこれで良かったのか」と悩み、寝つけなかった。それでも采配はズバリ。指揮官としての感覚が研ぎ澄まされてきた証拠だった。

 大八木総監督からのたすきリレーは、華麗に決まった。走り出した目的地は、前人未到の2年連続3冠。「この6人以外にも力ある選手をたくさん残している。全日本、箱根は負けるつもりはない」。謙虚な男が放つ言葉に、覚悟がにじんだ。

 ◇藤田 敦史(ふじた・あつし)1976年(昭51)11月6日生まれ、福島県白河市出身の46歳。清陵情報高から進学した駒大で4年時に箱根駅伝4区の区間新記録を樹立。卒業後は富士通に入社。99年、マラソンで世界選手権セビリア大会で6位入賞。00年の福岡国際で当時の日本記録2時間6分51秒をマークして優勝。13年現役引退し、15年から駒大コーチ。今年の箱根駅伝優勝後に大八木総監督の口から昇格が電撃発表された。1メートル66。

 ≪佐藤2年連続区間賞≫昨年スーパールーキーとして区間新の衝撃デビューを飾った佐藤が、2区で2年連続の区間賞を飾った。5000メートル6位入賞を果たした杭州アジア大会から中4日でのレースで独走態勢を築いた。青学大の黒田(2年)と同タイムだったこともあり「区間賞を獲るのは当たり前で、周りとの差をつけて獲らないといけなかった。まだまだ力がなかった」と反省を忘れなかった。

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