若隆景が実戦稽古再開「恐怖心よりも相撲を取れる喜びがある」右膝前十字靱帯断裂から回復順調

[ 2023年8月30日 15:43 ]

序二段の飛騨野(左)らと12番取った若隆景(撮影・前川 晋作)
Photo By スポニチ

 大相撲の十両・若隆景(28=荒汐部屋)が30日、東京都中央区の荒汐部屋で三段目力士らを相手に12番の申し合い稽古を行った。

 朝7時半過ぎに稽古場に降りると、四股やすり足で入念に体を動かしてから申し合いに参戦。東三段目90枚目の寛龍(31)と2番、西序二段22枚目の飛騨野(32)と10番連続で取った。実戦稽古を再開したのは8月後半からで「まだ取り始めたばかり」という。それでも立ち合いの鋭い踏み込みや下からの厳しい攻めは健在で、格下相手ではあるが全く寄せ付けず12戦全勝。順調な回復ぶりをうかがわせた。

 若隆景は関脇だった春場所で右膝前十字靱帯断裂の大ケガを負い、4月上旬に靱帯の再建手術を受けた。それ以降は休場が続き、秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)の番付は東十両7枚目。今場所も全休なら関取の座を失うことになる。「復帰に向けて段階を踏んでいる。一日一日で良くなるようなケガではないので、少しずつ積み重ねて今できることをやっていけたら」。術後すぐは歩くこともできなかったが、懸命なリハビリを経て少しずつ相撲が取れるまでに回復した。

 「早く相撲を取りたいなという気持ちがずっとあった。(今は)恐怖心よりも相撲を取れる喜びがある」。手術した右膝の不安や土俵に上がる怖さは少なからずあるはずだが、それよりも土俵に立てる喜びの方が上回っていた。

 次期大関候補筆頭と言われた若隆景の休場中に、霧島、豊昇龍と新大関が誕生。それでも「自分は自分」と前を向いて己と向き合ってきた。一般的には前十字靱帯の再建手術を受けると復帰までに半年以上かかるとされるため、早くても九州場所で幕下から出直すことになる。「今やれることを一生懸命やっています」。秋場所の出場可否は明言しなかったが、闘志は既にたぎっていた。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年8月30日のニュース