宇野昌磨 日本男子初!貫禄の連覇「もう一回やったら絶対に無理という演技ができた」3連覇へ伸びしろも

[ 2023年3月26日 04:45 ]

フィギュアスケート世界選手権最終日 ( 2023年3月25日    さいたまスーパーアリーナ )

男子フリー、表彰式で笑顔の宇野昌磨(撮影・小海途 良幹) 
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 男子はショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)がフリーでも1位の196・51点をマークし、合計301・14点で日本男子初の2連覇を果たした。女子の坂本花織(22=シスメックス)と2年連続で男女シングル日本勢アベックVも達成。アイスダンスでは村元哉中(30)高橋大輔(37)組(関大KFSC)がフリーダンス10位の115・95点、合計188・87点で日本勢最高タイの11位だった。

 重圧から解き放たれた宇野は、その場に倒れ込み、そして笑った。フリー、合計ともシーズンベストに及ばない。それでも張り詰めた緊張感の中「G線上のアリア」をまとめきった。「今何ができるかと言われたら、これ以上できないと言い切れる」。多くの選手が自己ベストを更新するハイレベルな展開で、王者としての貫禄を見せた。

 冒頭で4回転ループを決めた。続く4回転サルコーの着氷が乱れたが、大技4回転フリップは出来栄え評価(GOE)で4・24点の加点を引き出す完璧なジャンプだった。後半の4回転トーループ2本でミスが出たが、大崩れはしない。「もう一回やったら絶対に無理だなという演技をできた」と安堵(あんど)の様子だった。

 現地入り前に「今季一」のジャンプの不調に加え、先週に負傷していた右足首を22日の公式練習中に再び痛めた。だが、世界王者は冷静に「今の自分で何ができるか」考えた。過去に負傷しながら強行練習した経験があり「絶対に身のためにならないと思ったけど、それが逆に生きた」。痛みを抱えながら「できるイメージは湧いていた」と経験に裏打ちされた自信があった。

 「国内でやる国際大会は成績が振るわないことが多かった」と振り返る。同じ会場での19年世界選手権は「結果を求める」と宣言しながら結果は4位。「成長して帰ってこなければ」と涙の出直しを誓った。その舞台でリベンジを果たした。

 2連覇を果たしたが、宇野は伸びしろを感じている。「結果以上に自分が演技を見返したときに“いいな”と思える演技をしたい。(オフは)アイスショーに出る中でどんなスケートができるのか探したい」と言う。05、06年連覇の経験があるステファン・ランビエル・コーチも「さらに僕を超えてほしい」と3連覇を期待。タイトルを防衛した25歳には、まだまだ挑戦できる舞台が広がっている。

 ▼6位・友野一希 ミスがあっても自己ベスト。成長したなと思う。(4回転トーループで転倒もフリー、合計点ともに自己最高)

 ▼15位・山本草太 もったいないミスがあった。必ず強くなってこの舞台に戻ってきたい。(初の世界選手権はジャンプで転倒などミスが続いた)

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