小結・若元春 明生倒し初日! 関脇の弟・若隆景と32年ぶり兄弟三役同場所白星 90年逆鉾&寺尾以来

[ 2023年1月12日 04:30 ]

大相撲初場所 4日目 ( 2023年1月11日    両国国技館 )

押し出しで明生を破った若元春(左)(撮影・西海健太郎)
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 新三役の小結・若元春が取り直しの末に同じ小結の明生を押し出し、4日目にして初白星を挙げた。すでに2勝していた弟の関脇・若隆景に続く白星で、兄弟同時三役が同じ場所で白星を挙げるのは90年九州場所の小結・逆鉾と関脇・寺尾(現・錣山親方)以来、約32年ぶりとなった。関脇・豊昇龍は玉鷲を寄り切り、三役以上でただ一人の4連勝。大関・貴景勝は元大関・御嶽海を押し出し、3勝1敗とした。

 無心で土俵に上がった。明生との最初の一番。得意の左四つになったが攻めきれず、土俵際に追い詰められた。必死に打った、うっちゃり。軍配が明生に上がり、物言いがついた協議の間を「いっぱいいっぱい過ぎて、何も考えられなかった」と振り返った。

 ところが同体で取り直しとなった一番。右へ変化気味に立った明生を肩から当たって一気に押し出した。藤島審判長(元大関・武双山)は「明生は仕切りから息が上がっていた。若元春はケロッとして、稽古十分と思いました」と証言した。若隆景ら稽古相手豊富な部屋で養ったスタミナが、土壇場で光った。

 2勝していた弟に続く、今場所初白星。若隆景とは史上3組目の兄弟同時三役で、両者が白星を挙げたのは、逆鉾と寺尾の90年九州場所以来だった。ともに横綱昇進した若花田(のちの3代目若乃花)と貴花田(のちの貴乃花)の同時三役は92年春場所のみで、若花田は10敗5休。この日、若隆景は敗れたため同日白星こそお預けとなったが、「そういうことは後から付いてくる」と思いやりを示した。

 「以前は口をきかないこともあったが、今は食事もするしライバルとして意識している」と明かすのは師匠の荒汐親方(元幕内・蒼国来)だ。新三役昇進の会見で「ボロ負けして1場所で落ちたら弟の足を引っ張る。注目されて負け越したら格好つかない」と語った若元春。黒星先行では一息つけない。残り11日、大関獲りの足固めを狙う弟に食らいついていく。

 ≪同日勝利ならず…若隆景2敗目≫弟の関脇・若隆景は大栄翔に敗れて2勝2敗となった。立ち合いから先手を取られて強烈な右喉輪で起こされると、真っすぐ下がって何もできずに土俵を割った。負けが込むことが多く、自身でも課題に挙げていた序盤戦。4日目までに2敗するのは5場所連続となった。初白星を挙げた兄の若元春との同日白星は5日目以降に持ち越しとなった。

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2023年1月12日のニュース