カー娘・LS北見、平昌切符!チーム創設マリリン8年目悲願

[ 2017年9月11日 05:30 ]

平昌五輪カーリング女子代表決定戦最終日   LS北見3―1中部電力 ( 2017年9月10日    北海道・アドヴィックス常呂カーリングホール )

カーリング女子で平昌冬季五輪出場を決め、笑顔でポーズをとる(左から)本橋、吉田夕、鈴木、吉田知、藤沢のLS北見
Photo By 共同

 16年世界選手権銀メダルのLS北見が第4戦で中部電力を9―5で退けて通算3勝1敗とし、初の五輪出場を決めた。06年トリノ、10年バンクーバー五輪に出場した本橋麻里(31)が中心となって、10年8月に創設。代表決定戦では控えに回ってチームを支えた本橋だが、平昌ではメンバーに入って日本カーリング界初の表彰台を狙う。

 本橋が涙を浮かべてチームメートと抱き合い、そしてねぎらった。第1エンドに3点を奪うなど有利に試合を進め、初の五輪切符を獲得。控えとしてチームを支えた31歳は、「メンバーにありがとうと言いたい」と歓喜に浸った。

 18歳で地元の旧常呂町(現北見市)を離れ、チーム青森で五輪2大会に出場。「人とつながり、地域とつながる強いチームを」という思いで、自身が中心となって10年8月にチームを創設した。「スポンサーをつけてやりたいと言うと、周りに“は?”と言われた」と7年前を振り返る。徐々に周囲の賛同を得て、今はスポンサー17社を数えるクラブに成長した。12年に結婚、15年10月には長男を出産。妻として母として、そして選手として奮闘してきた。

 天国に吉報を届けた。長年、カーリングの普及に尽力し、本橋を競技に導いた常呂カーリング協会初代会長の小栗祐治さんが、5月に死去。「一番いい席で見ているんじゃないかなと思う。小栗さんのカーリングを愛する気持ちは、本当に後世に受け継がれていると思う」と本橋。他のメンバーも、小栗さんへの思いを胸にリンクに立っていた。

 昨年の世界選手権は銀。本橋にとって3度目、チームにとって初の五輪で目指すのは、もちろん表彰台だ。昨季はサードとして試合に出場しており、「試合に出られない悔しさも半分ある。“このままでいいや”と思っている人がベンチにいると、チームは負ける」と控えに甘んじるつもりはない。チーム名「ロコ・ソラーレ」に込められた、「常呂から太陽のような輝きを持ったチームに」という思い。日本初の五輪メダルで、カーリング界を明るく照らす。

 ▼吉田知那美 今ここに立っているのが凄く不思議な感じ。(北見市に)帰ってきて良かったなと心から思う。本橋選手がカーリングだけでなく、いろんなところで支えてくれた。

 ▼鈴木夕湖 チームで支え合って、最後まで楽しく戦えた。(本橋)麻里ちゃんをリザーブに置いて戦うということは、それなりに結果を出さないといけないと思っていた。

 ▼吉田夕梨花 プレッシャーも感じていたけど温かい声援でリラックスできた。戦うのは相手ではなく、常に氷。氷と向かい合って戦える五輪にしたい。

 ◆藤沢 五月(ふじさわ・さつき) 1991年(平3)5月24日、北海道出身の26歳。司令塔のスキップ。北海道・北見北斗高出身。中部電力で11年から日本選手権4連覇。15年春にLS北見に加入。1メートル56。

 ◆吉田 知那美(よしだ・ちなみ) 1991年(平3)7月26日、北海道出身の26歳。スキップを支えるサード。北海道・網走南ケ丘高出身。北海道銀行で14年ソチ五輪出場。同年春に加入。1メートル57。

 ◆鈴木 夕湖(すずき・ゆうみ) 1991年(平3)12月2日、北海道出身の25歳。ポジションはセカンドで小柄ながらスイープ力に優れる。北見工大出身。1メートル45。

 ◆吉田 夕梨花(よしだ・ゆりか) 1993年(平5)7月7日、北海道出身の24歳。吉田知の妹で、チームで最初にショットを放つリード。北海道・常呂高、東海大出身。1メートル52。

 ◆本橋 麻里(もとはし・まり) 1986年(昭61)6月10日、北海道出身の31歳。チームの立ち上げに尽力し、フィフス(控え)兼主将。チーム青森時代に06年トリノ、10年バンクーバーと五輪2大会連続出場。15年の出産を経て復帰。1メートル60。

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