桐生 堂々9秒台宣言「ベストの走りする」リラックス調整で汗

[ 2017年6月23日 05:30 ]

陸上日本選手権の練習でケンブリッジ(手前)と談笑する桐生(右は山県)
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 陸上の世界選手権(8月、ロンドン)の代表選考を兼ねた日本選手権が、23日に大阪市のヤンマースタジアム長居で行われる。日本人初の9秒台の期待が懸かる有力選手は、22日、思い思いの練習方法で調整。今季の安定感No・1の桐生祥秀(21=東洋大)は終始リラックスした表情で汗を流した後、9秒台に対する強い決意を語った。

 今から1年前。ケンブリッジと山県に先行を許し3位に終わった桐生は、ゴール後に人目をはばからず涙を流した。その後のリオ五輪の100メートルは予選敗退。その悔しさをぶつける舞台がようやくやって来る。日本歴代2位となる10秒01の記録を持つ21歳は3年ぶり頂点へ、「大きな大会で自分のベストの走りをして9秒台を出したい」と会見で大台突破を堂々と宣言した。

 前日でもリラックスして練習できたのが成長の証だ。会場のサブトラックでスタート練習2本を行うなどして汗を流し、久々に再会した山県の元に駆け寄り「(リオ五輪代表の)飯塚(翔太)さんと会った?」と笑顔で話しかけるなど緊張した様子はない。「力が入り過ぎた部分があった」と振り返った昨年の反省を生かし、今回は休養も十分。「今日久々にスパイクで走った」。11日の海外遠征帰国後は疲労を抜くことに重点を置き、先週末から坂道を走るなどして調整を再開した。

 今季は桐生、山県、ケンブリッジのリオ五輪代表組に加え、成長著しい多田の“四天王”が世界選手権参加標準記録10秒12を既に突破している。昨年はケガに泣いた18歳のサニブラウンもエントリーし、有力選手5人で3つの代表枠を争う。その中でも桐生は10秒0台を3度出すなど安定感抜群で「全員世界陸上に行けるわけではないので、しっかり代表権を獲りたい」と気合を入れた。ヤンマースタジアム長居は、反発力、衝撃吸収率が高いバランスでそろう「高速トラック」。9秒台を出す舞台は整った。

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