羽生、視聴率20・7%!録画なのに「下町ロケット」超え

[ 2015年12月15日 05:30 ]

リンクで魔との戦いを再現する羽生

 “ゆづロケット”が人気ドラマを超えた。13日にテレビ朝日で放送された「フィギュアスケートグランプリファイナル世界一決定戦2015」(午後7時25分~10時10分)が、関東地区で平均20・7%(ビデオリサーチ調べ)の高視聴率をマークした。羽生結弦(ゆづる、21=ANA)が合計330・43点の世界最高得点で男子初の3連覇を達成した大舞台は、同日のTBS「下町ロケット」(午後9時)第9話の18・2%を上回った。羽生は15日に帰国する。

 世界最高得点を連発し、男子フィギュア界の“大気圏”を突破した羽生が、視聴率でもハイレベルな数字を並べた。13日早朝に結果が出ていたにもかかわらず、同日夜のテレビ朝日の放送で平均20・7%。人気ドラマ「下町ロケット」の18・2%を上回り、羽生が表彰台で笑みを浮かべたシーンが放送された午後10時8分、瞬間最高の29・2%をマークした。

 ファイナルはSPで110・95点、フリー219・48点、合計330・43点と全て11月のNHK杯でマークした自身の得点を更新。2大会連続で完璧な演技をそろえ、演技後は重圧から解放された安堵(あんど)感から涙を流した。競技から一夜明けた13日には「これまでSPとフリーのノーミスは地方大会以外はなかった。正直ビックリしている。このプレッシャーの中で、よくやったなって」と振り返っていた。

 15日に帰国する羽生の視線は、既に4連覇が懸かる全日本選手権(25日開幕、北海道)へ向いている。12、14年もこなした11月下旬からのNHK杯、ファイナル、全日本の3試合は強行スケジュール。「全日本で(体調が)下がってというのは今までの傾向としてあるかもしれない」と冷静に分析しながらも、「どんな状況でもこの演技ができるようにしないといけない」と気合を入れている。

 視聴率が示す高い注目度から、リンク外では世間の視線にさらされる。圧倒的な実力から、リンク内では世界中のスケーターから追われる。そんな状況を受け入れ、歩を進める。「全てにおいて、自分を取り巻くものと闘っていかないといけない」。得点もライバルも関係ない。自らに集中することで、羽生は理想の演技に到達する。

続きを表示

2015年12月15日のニュース