錦織、ファイナルで雪辱だ!ジョコに完敗も「勝てない選手いない」

[ 2014年11月3日 05:30 ]

試合後、ジョコビッチ(右)と握手を交わす錦織(AP)

男子テニスマスターズ・パリ大会第6日

(11月1日 フランス・パリ)
 世界ランキング7位で第6シードの錦織圭(24=日清食品)は同1位で連覇を狙う第1シードのノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)に2―6、3―6で完敗し、決勝進出はならなかった。連戦の疲労でサーブやショットに精彩を欠き、今夏の全米オープン準決勝で破った相手に一方的に押し切られた。錦織は年間成績などの上位8人で争われる最終戦、ATPツアー・ファイナル(9~16日、ロンドン・O2アリーナ)で今季を締めくくる。

 準決勝までの3試合を勝ち上がるのに錦織は7時間22分を費やしてきた。対するジョコビッチは1セットも落とさず5時間11分。全てフルセットで消耗し尽くした肉体に加え最終戦の出場を確保した満足感も多少なりともあったはず。「少し体が疲れていた。100%の状態で準備できなかった」。その時点で世界No・1選手との勝負はついていた。

 疲れの影響が目に見えて表れたのはファーストサーブだ。準々決勝までの3試合で平均時速は182キロだったが、この日は162キロまで大幅に低下した。いくらコースを丁寧に突いて確率を上げたとしても、力のないサーブでは攻めきれない。「サーブが本調子でなく、ラリーでは戦えたが、相手が堅実でミスしなかった」とさばさばと振り返った。

 未明に決着した3時間近い準々決勝の後、眠りに就いたのは午前4時だった。わずか半日の休養では躍動感が戻らず「足が動かず、苦しい戦いだった」という。第1セットは2度のブレークを許して落とし、第2セットも一度はブレークバックして追い付いたが、すぐに突き放された。

 ジョコビッチは「ケイが疲弊して、いつものサーブでなかった」と喜びは控えめだったが、同情されているようでは先がない。対戦成績は2勝2敗。錦織は「世界1位に勝つには相当な忍耐力と攻撃力が必要」とあらためて思い知った。

 1週間のオープンウイークを挟み、今季総決算の最終戦に臨む。予選ラウンドは試合間隔が空くこともあり、フィジカル的な厳しさは和らぐ。「今週は多くのことを学んだ。勝てない選手はいない。自分のプレーをすればチャンスはある」。この敗戦の借りを返すチャンスもあるはずだ。

 ▽ATPツアー・ファイナル 年間獲得ポイントなどの上位8人だけが出場できる年間最強を決めるシーズン最終戦。試合は3セットマッチで、4人ずつ2グループに分かれて総当たりを行い、上位2選手が準決勝に駒を進める。予選ラウンドの1勝だけでランキングポイント200点と賞金15万5000ドル(約1740万円)が得られ、無敗の優勝者は1500ポイントと207万5000ドル(約2億3200万円)を獲得する。第1回は70年に東京体育館で行われ、09年からはロンドンのO2アリーナで行われている。

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