みなみを甲子園に連れてって!予選突破で大好き虎の応援へ

[ 2014年10月22日 05:30 ]

<マスターズGCレディース 練習日>アマチュアの勝みなみはコスモスが咲く中、上田桃子(右)前で18番ティーショットを放つ

 ツアー最高額の賞金総額1億4000万円を誇る4日間のビッグトーナメント「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」は23日、兵庫・マスターズゴルフ倶楽部で開幕する。21日に開催コースで練習ラウンドをした勝みなみ(16=鹿児島高)は大ファンのプロ野球・阪神の日本シリーズ観戦を熱烈希望。予選を突破すれば25日から始まる甲子園での観戦も可能で、上々の成績を収めた26日の最終日に、マスターズGC→甲子園行きをひそかに狙う。

 16歳の勝が知るはずもないが、あの名セリフが思わず出てきそうだった。98年生まれの勝が産声を上げるずっと前、80年代に漫画やアニメでブームとなった「タッチ」。勝の名前の由来にもなったヒロインの浅倉南が口にした、あの言葉だ。

 「南(みなみ)を甲子園に連れてって」

 祖父・市来龍作さんの影響で、物心ついた時から阪神ファンだった勝はクライマックスシリーズの巨人戦を鹿児島の自宅から近い祖父宅で観戦した。日本シリーズ進出を決めた際には「めちゃくちゃうれしかった。泣きました」と感涙したという。さっそくソフトバンクの本拠ヤフオクDでの日本シリーズを観戦しようと試みたが、福岡で開催される28~30日は千葉で開催のツアー出場が決定。断念か…、と諦めかけたところ、マスターズGCで予選を突破すれば開催コースから車で1時間ほどの甲子園での観戦が決して不可能ではないことを報道陣から知らされ、目の色が変わった。

 肝心の入場券は持っていないが、ラウンド中に六甲おろしを口ずさみ、4月のKKT杯バンテリンレディースでツアー史上最年少優勝(15歳9カ月)を果たしたのは有名な話。当時、和田監督から「甲子園に来て」とラブコールを送られた縁もある。ならば「みなみを甲子園に…」と思うのはそれほど無謀ではない。

 阪神の快進撃に刺激を受けたこともあり?ゴルフも好転した。9月の世界アマチュアチーム選手権やアジア大会で苦しんだ1Wが復調。「1Wショットが凄く良くなっているんです。1Wさえ真っすぐいってくれれば何とかなるかな」と自信も回復した。今大会には初出場だが、20日に9ホール、この日は18ホールを回り予習も完璧。「最初から攻めていこうと思います」と強気な姿勢も戻った。まずは予選を通り、最終日に上々のプレーをすることが大前提。ゴルフで結果を出せば、夢の甲子園がみなみを待っている…かもしれない。 

 ▽タッチ 漫画家あだち充氏が81~86年に「週刊少年サンデー」(小学館)で連載した青春野球漫画。明青学園高の1年生エース・上杉和也は幼なじみのヒロイン浅倉南の「南を甲子園に連れてって」という夢を実現するため全国大会出場を狙うが、交通事故で死去。双子の弟・和也と南の思いを背負った主人公の上杉達也が、野球部に入って高校野球の聖地を目指すストーリー。テレビアニメ、実写でのテレビドラマ、映画化されるなど高い人気を誇っている。

続きを表示

この記事のフォト

2014年10月22日のニュース