錦織 貫禄ストレート勝ちも苦笑い「本当につまんない試合」
ウィンブルドン選手権第2日
(6月25日 英ロンドン・オールイングランド・クラブ)
男子シングルス1回戦で、第10シードで世界ランキング12位の錦織圭(24=日清食品)が3年連続で初戦を突破した。同73位のケニー・デシャプール(27=フランス)に6―4、7―6、7―5でストレート勝ち。相手の強烈サーブに苦しみながらも少ない好機を逃さなかった。2回戦では世界136位のデニス・クドラ(21=米国)と対戦する。また、第4シードのロジャー・フェデラー(32=スイス)もストレート勝ちで2回戦に進出した。
錦織の心境がこの一言に集約されていた。「本当につまんない試合だなと思っていた」。得意のリターンでチャンスをつくれず単調な展開が続いた初戦。試合に勝ちながらも苦笑いで振り返った。
「自分のゲームの組み立ては常にブレークチャンスを狙っていくこと。それができないのはストレスがたまった」。デシャプールはランキングこそ低いが、昨年大会はベスト16に入っている。2メートル3の長身から繰り出す高速サーブが武器のレフティー。錦織は初対戦で情報は少なく、第2サーブでも時速200キロ超えの強打を打ち込まれて「ビックリした」と驚きを隠さなかった。
互いに相手のサービスゲームではほとんどポイントが取れず、35ゲーム中13ゲームが40―0の一方的な内容。ラリーも少なく、「試合中も気持ちが落ちないように気を使った」と錦織はリズムをつかむのに苦しんだ。
それでも勝機を逃さないのは上位シードの貫禄だ。第2セットのタイブレークは0―3と劣勢。「ヒヤッとしてセットを落とすことも覚悟した」。ここでデシャプールがフットフォールト(サーブの際にラインを踏む反則)。続く第2サーブも入らずにダブルフォールトのミス。“敵失”をきっかけに流れを奪うと、4―3の場面ではリターンがついに火を噴いた。バックハンドで相手サーブに食らいつくと、そこからの返球をフォアで仕留めて大きな声を上げた。
まだ全開とはいえないが、ストレート勝ちで初戦を突破。「クレーシーズンの好成績が芝の上でも自信を与えてくれている」と今季好調の流れを持続しながら、昨年の3回戦を超える活躍、その先の上位進出を見据えた。
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