遼 7差90位でも“新武器”に手応えあり

[ 2013年1月19日 06:00 ]

ラウンド中、ビル・クリントン元大統領(右)の訪問を受け、笑顔で挨拶を交わす石川遼

USPGAツアーヒューマナ・チャレンジ第1日

(1月17日 米カリフォルニア州ラキンタ PGAウエスト・パーマーコース=6950ヤード)
 PGAウエスト・パーマーコースを回った米ルーキーイヤー初戦の石川遼(21=パナソニック)はパットが決まらず、3バーディー、1ボギーの70、2アンダーで90位と出遅れた。それでもショットの切れ味には手応えもあり前向き。ラウンド中には大会を支援するクリントン財団の創設者、ビル・クリントン元大統領(66)から激励を受ける場面もあった。ロベルト・カストロ(27=米国)ら3人が9アンダーで首位に並んだ。

 屈強な男たちが7番ティー付近を囲んでいた。石川が不思議そうな顔でその輪に近寄る。「Nice to see you again!(また会えてうれしいよ)」。そう手を差し出したのはクリントン元大統領。大会の支援者として、警護を連れてコースを巡回しているところだった。

 「(09年)プレジデンツカップでお会いして以来。人だかりが凄くてビックリしました」。握手の後の第1打で会心のショットを披露すると敬礼ポーズで見送られた。正式なメンバーとして臨む米ツアー初陣の日に元大統領と対面。米国にいることを実感するのにこれ以上ない経験となった。

 砂漠地帯の強い日差しが降り注いだ初日。1番ティーには真っ白な気持ちで立った。ヤーデージブックの1ページ目。石川はいつも取り組むテーマを書いている。だが、今週は「何も書かなかった。初戦って分からないから」。未知の一年。日本でのセオリーが通用しないかもしれない。決めごとで自分を縛るのを避け、感性に身を任せた。

 ただ2アンダー、90位の結果にはもどかしさが残った。今大会はアマチュアが出るため通常よりグリーンが止まりやすい。バーディー合戦の中、2番で1・5メートルのバーディーパットを外し、7番では70センチのチャンスも外した。「パットとアプローチの感覚がまだまだ。あと2つ、3つはいけた」と満足感はなかった。

 それでもショットには手応えも得た。ティーショットで5回3Wを握りそのうち、8、16番はバーディー。9番では1W級の304ヤードをマーク。クラブをキャロウェイに替えたが「構えて安心感もあったし、あそこまで飛ぶとは」と新しい強力な武器を発見した。「スコアが出せそうな感触があります」。決して強がりではない。2日目。この日逃したバーディーまでまとめて取りにいく。

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2013年1月19日のニュース