澤 英語でアシスト!五輪招致「立候補ファイル」提出、スイスへ

[ 2013年1月7日 06:00 ]

会見中に笑顔で話をする澤穂希とパラリンピック競泳代表・鈴木孝幸

 20年夏季五輪招致を目指す東京五輪招致委員会の水野正人専務理事らが6日、開催の詳細な計画を説明する「立候補ファイル」をスイス・ローザンヌにある国際オリンピック委員会(IOC)本部に提出するため、成田空港から出発した。同行した招致大使のサッカー女子日本代表の澤穂希(34=INAC神戸)は提出時に英語でスピーチする計画を披露。9月7日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで行われるIOC総会で五輪開催地が決まるまで、全力で招致活動に協力する決意も表明した。

 世界の舞台で何度も戦ってきた澤の表情が、心なしかこわばっていた。7日にIOC本部へ立候補ファイルを提出し国際プロモーションが解禁されると、10日にはロンドンで海外メディアに対する会見を行う。「大役を任されて緊張していますが、ロンドン五輪の感動をもう一度、東京でも味わいたい。自分のできることをしてきたい」と決意を表明した。

 16年夏季五輪招致はリオデジャネイロ(ブラジル)に完敗。開催計画そのものの評価は高かったが、国内の開催支持率など“情熱”の部分が敗因とされた。水野専務理事は「前回の反省を生かして、コンパクトな素晴らしい計画が出来上がった。世界を魅了する五輪になる」と手応えを強調。さらに「前回は事務的に(立候補ファイルを)提出したが、今回はオリンピアン、パラリンピアンが同行するのが大きな違い」とし、世界に情熱をアピールする切り札としての澤に期待を寄せた。

 その最初の役目がスピーチだ。立候補ファイルはIOC本部前で関係者に渡される予定。そこで澤と08年北京パラリンピック競泳金メダリストの鈴木孝幸(25)が熱意をアピールする。澤は「自分たちがたくさんの皆さんに応援してもらったように、私も日本でたくさんの選手を応援したいし、子供たちにも見てほしい」と招致に懸ける思いを披露した。

 開催計画では国立競技場がリニューアルされる。「ロンドン五輪でウェンブリーという聖地でプレーできて幸せだった。国立も夢の舞台。“あそこでプレーしたい”という子供たちの目標になる」と澤。新たな聖地を誇れるものにするために、勝たなければならない勝負。“キックオフ”直後の流れは、なでしこジャパンをW杯制覇に導いたエースの存在に懸かっている。

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2013年1月7日のニュース