5月誕生以来負け知らず 次女が日馬に「幸運&幸せ」運んだ

[ 2012年9月24日 07:45 ]

元横綱の朝青龍(前列左端)、母・ジャガマルスレンさん(前列左から2人目)と母に抱かれる長女・ニャムジャガラガルちゃん、バトドール夫人(前列右端)と支度部屋で万歳する日馬富士。日馬富士が抱くのは次女・ヒシゲジャルガルちゃん

大相撲秋場所千秋楽

(9月23日 両国国技館)
 観客席から女神たちが日馬富士の2場所連続全勝優勝を見守っていた。この日は母と妻、2人の娘が来場。次女ヒシゲジャルガルちゃんは今年夏場所後の5月22日生まれ。次女の誕生以降、名古屋場所、秋場所と一度も負けなかった。

 バトトール夫人(25)によると、モンゴル語でヒシゲは「運がいい」、ジャルガルは「幸せ」を意味する。同夫人は「そういう縁起がいい名前」と名付け親の2人の祖母に感謝しきりだった。

 綱獲りに神経をすり減らす大関にとって家族の存在は何よりの癒やしだった。自宅にいる時はほとんど相撲の話をせず、子供たちと遊んでリラックス。飲みに出歩く回数は減った。夫人はモンゴル料理のチャーハン、うどんスープなど腕を振るい、スタミナ面でも支えた。

 母ミャグマルスレンさん(54)は場所前に来日した今年名古屋場所に続き今場所も前半戦のうちにモンゴルから駆けつけた。綱獲りの過程を近くで見届け「誇りに思う」と感激の面持ちだ。16歳で家を出て日本へ旅立った日馬富士はホームシックになった時期もあった。そんな時、ミャグマルスレンさんは「離れていても心は一つ。いつも、あなたのことを思っている」と励まし続けた。

 06年12月に交通事故で急逝した夫ダワーニャムさん(享年50)はモンゴル相撲の元関脇。ミャグマルスレンさんは「(横綱昇進を)喜んでくれると思う。“重い責任がある。もっと頑張れ”と言うんじゃないですか」と目を細めた。亡き父に代わり、一層の精進を求めるゲキで祝福した。

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2012年9月24日のニュース