早大 山上りに1年生を抜てき!努力で神超えなるか?

[ 2011年12月30日 06:00 ]

山上りの5区に抜てきされた早大1年生の山本修平

 来年1月2、3日に行われる第88回東京箱根間往復大学駅伝競走の区間エントリーが発表され、2連覇を目指す早大は山上りの5区に1年生の山本修平を抜てきした。王座奪回を狙う東洋大は柏原竜二(4年)が4年連続で5区にエントリー。出雲、全日本でタイトルを逃した早大は1浪の末に入学した“努力の男”を“新・山の神”にぶつける奇策で勝負に出る。

 早大がサプライズを用意していた。06年に2・5キロ延長されて最長の23・4キロとなって以降、最も重要とされる山上りの5区。渡辺康幸監督は2週間前の公開練習時に「オーソドックスなオーダーを考えている」とし、佐々木寛文(3年)の起用を示唆していたが、発表されたメンバー表には1年生・山本の名前があった。

 指揮官は「前から(山を)上らせようと思っていた。準備もさせている。行き当たりばったりのことではない」と温めていた策であることを強調。レース当日のエントリー変更で交代する可能性もあるが、他校の監督たちを欺くには十分の奇襲作戦だ。

 山本は日本インカレ1万メートル6位、出雲でも3区区間2位で走り、指揮官が「よく練習できている」と期待を寄せるルーキーだ。現役受験で失敗したものの、1浪の末に入学したほどエンジへの思いは強い。予備校生時代は一日10時間勉強しながら練習も続けてきた。山上りの力は未知数だが、努力の男の秘めた力に懸けるつもりだ。

 また、渡辺監督は「1区起用はない。前回はイチかバチかだった」と言い、2区起用の意向を示していたエースの大迫傑(2年)を再び1区に配置した。前回いきなり飛び出して区間賞を獲得し、チームにいい流れをつくった再現を狙う。

 昨季は3冠を達成したが、今季は出雲、全日本ともに3位。出雲優勝の東洋大、全日本優勝の駒大から出遅れている印象は拭えない。王者のプライドを捨てた奇襲作戦に、渡辺監督は2連覇への強い思いを込めた。

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2011年12月30日のニュース