高橋 攻めて巻き返す!4季ぶり表彰台の2位に

[ 2011年12月12日 06:00 ]

フリーで2位となった高橋の演技

フィギュアスケートGPファイナル第2日

(12月10日 カナダ・ケベック)
 浅田真央(21=中京大)が母・匡子(きょうこ)さん(享年48)の急逝により欠場となったが、日本勢は2人が表彰台に立った。男子はショートプログラム(SP)で5位と出遅れた高橋大輔(25=関大大学院)がフリー2位で巻き返し、合計249・12点で4季ぶりの表彰台となる2位に入った。女子はSP2位の鈴木明子(26=邦和スポーツランド)がフリー3位にとどまったが、合計179・76点で自己最高の2位となった。

 25歳のベテランは最後まで攻めの姿勢を貫いた。SP5位の出遅れは、果敢に4回転ジャンプに挑んだ結果だったが、一夜明けた高橋の気持ちは完全に吹っ切れていた。「落ちても6位しかない。思い切っていこう」。冒頭の4回転トーループ。両手をついて着氷も乱れたが、何とか踏ん張り4回転と認定された。その後のジャンプはほぼノーミス。難しいブルースの音楽を、持ち味の情感あふれる滑り、軽やかなステップで見事に表現。「(着氷が乱れた)4回転以外は自信を持って取り組めた。今季一番良かった」。フリーの今季自己ベストを更新する172・63点で、GPファイナルでは07年の2位以来、4季ぶりとなる2位となった。

 銅メダルを獲得したバンクーバー五輪でともに表彰台に上がった浅田が母・匡子さんを亡くし欠場。2人の絆をよく知る高橋は「お母さんを大好きだった。今後どういうふうに向き合っていくか凄く心配」と気遣っていた。心優しき男子のエースは浅田を励ますかのように、こん身の演技で巻き返してみせた。

 日本男子の初優勝はまたもお預けになったが、「ハイレベルな試合で一緒に戦えているという気持ちは久々」とファイナルならではの熱戦に心が躍った。今大会の男子で4回転の成功を逃したのは高橋だけ。「技術はまだまだと実感できて良かった」と刺激も受けた。

 次戦は国内チャンピオンの座を争う年末の全日本選手権(23~26日、大阪・なみはやドーム)。羽生の台頭を肌で感じ「きょう以上のことをしないと、現状では勝てない」と気を引き締めるのも忘れなかった。収穫と危機感を胸に、昨年は小塚崇彦(トヨタ自動車)に譲ったタイトルを奪いにいく。

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2011年12月12日のニュース