イップス克服!“メジャー男”佐藤 9年ぶりV射程

[ 2011年10月15日 06:00 ]

3位に浮上し笑顔を見せる佐藤信人

日本オープン第2日

(10月14日 千葉・鷹之台CC=7061ヤード、パー71)
 イップスに悩まされてきた佐藤信人(41=ミズノ)が4バーディー、2ボギーの69をマーク。通算3アンダー、139に伸ばして9位から3位に浮上した。3つの日本タイトルを誇る“メジャー男”は9年ぶりの勝利に向け、首位のネベン・ベーシック(33=オーストラリア)に2打差の好位置につけた。石川遼(20=パナソニック)は69で回り、通算2オーバーで前日の68位から大きく順位を上げた。
【第2R成績】

 41歳のベテランが優勝争いに名乗りを上げた。佐藤は17番で5メートルを沈めて通算3アンダーまで伸ばすと、最終18番は4メートルをねじ込みパーセーブ。今大会最終予選6位からの繰り上がりで出場権を得ながら首位と2打差の3位に「上出来、最高。良かったのはパターですかね」と笑顔を見せた。

 97年にプロ4年目でツアー初優勝を飾り、02年には3勝して賞金ランク2位、通算9勝にまで伸ばした。そこには日本プロ選手権、日本ツアー選手権、日本プロマッチプレーの3つの日本タイトルも含まれる。10勝は時間の問題と思われたが、そこから長い苦悩が始まった。原因は05年頃に“発症”したパターイップス。その後は賞金シード獲得と陥落を繰り返し、09年に賞金シードを失うとここ2年はレギュラーツアー出場が激減した。

 だが、この時間を無駄にはしなかった。約1年半前にメンタルコーチをつけた。イップスを克服しようと長尺パターも試したが、今は「(インパクトで)緩んでもパンチが入っても、過剰に反応することなく受け流せるようになった」という。94年から01年までのエースパターを2年前から再び愛用。どんな結果も受け入れる自然体の心とイメージの良いパターが復調へ向かわせた。

 「試合がないとダラダラしちゃうから」と昨年末から1日5~10キロのランニングを開始。「抽選で外れたけど東京マラソンに申し込んだ」というほど走ることが習慣になった。「特に体力の衰えは感じない」と戦える肉体を維持し続けた。

 前戦は39歳の久保谷が9年ぶりに優勝した。「同世代の存在は刺激になる」。佐藤も勝利から遠ざかってちょうど9年。「来年のツアーに出ることが目標」と控えめだが、かつてのメジャー男の復活劇には、史上7人目となる4大会目の日本タイトルこそふさわしい。

 ◆佐藤 信人(さとう・のぶひと)1970年(昭45)3月12日、千葉県生まれの41歳。千葉・薬園台高から米陸軍士官学校を経てネバダ州立大に入学。93年に帰国してプロテストに合格。ツアーデビューは94年。97年のJCBクラシック仙台で初優勝し、ツアー通算9勝。04年から05年途中まで欧州ツアーに参戦。09年に賞金シードから陥落、今季はここまで2試合に出場し、いずれも予選落ち。1メートル79、76キロ。血液型O。

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