前売り苦戦の大相撲「相撲を見るくらいなら…」の声も

[ 2011年7月7日 07:27 ]

 八百長問題で世間を騒がせた大相撲は、10日に愛知県体育館で始まる名古屋場所で半年ぶりに本場所興行を再開する。角界の信頼回復を目指す第一歩に、周囲の反応はさまざまだ。入場券の売り上げが伸び悩む一方、企業が懸賞などの支援を復活する動きもある。

 入場券の販売担当者によると、前売りでの売れ行きは6日現在で15日間全体の4割程度。人気の高い千秋楽も2割が売れ残っている。通算最多勝利に並ぶ1045勝にあと1勝の大関魁皇が注目されているものの、記録更新の可能性のある2、3日目の入場券も、販売状況は例年並みという。

 昨秋から企業などに営業活動を行ったが、八百長問題発覚後にキャンセルが続出。さらに東日本大震災の発生が追い打ちとなり「相撲を見るくらいなら義援金に回す」という声もあった。例年より遅れて開催が決まったことも、売り上げ不振の一因となっている。

 マイナスばかりでもない。野球賭博問題で揺れた昨年の名古屋場所は、前年に計1033本あった懸賞が242本に激減した。だが今回は昨年撤退していた大口提供元の永谷園が復活するなど、数社が懸賞を出す予定。呼び出しの背中の広告も再開される見込みだ。

 日本相撲協会は3月の春場所を中止、5月の夏場所は興行を自粛して技量審査場所とするなど八百長問題対策に取り組んだ。協会と企業の間に立つ広告代理店関係者は「日本相撲協会の対応に一定の評価をしている企業が多い」と説明した。

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2011年7月7日のニュース