「してますね」…安壮富士、クロ前提聴取に“怒”

[ 2011年3月6日 06:00 ]

伊勢ケ浜部屋で八百長関与を完全否定した安壮富士

 大相撲の八百長問題で、特別調査委員会から八百長関与が濃厚と認定されたと一部で報じられた十両・安壮富士(35=伊勢ケ浜部屋)が5日、調査委員会からの聴取が“クロ”を前提にした強引なものだったことを暴露した。調査委は疑惑をかけられている14人以外の20~30人に対しても複数回の聴取を実施しているが、調査が難航している状況での強引な調査方法には批判の声が上がりそうだ。

 安壮富士はこの日、江東区の伊勢ケ浜部屋で取材に応じ、特別調査委員会の聞き取り調査に関し「頭ごなしに、(八百長を)してますね?と言われた。認めてくださいと。やってもないのにそう言われても…」とその実情を暴露した。既に2度の聴取を受けている安壮富士だが、2度目の聴取では担当弁護士からの強引な“自白強要”もあったという。「(2回目は)認めてください的な聞き方をされた。やってないものはやっていないので、今後も否定します」。安壮富士の八百長関与を調査委が濃厚と認定したとする一部報道について「(報道の)意味が分からない。関与はないです」と否定するとともに、調査委への怒りを爆発させた。

 関係者によると、調査委は、竹縄親方(元幕内・春日錦)らの証言を基にメールなどで名前の挙がっている14人以外に安壮富士ら20~30人に対して既に複数回の聞き取り調査を行っているという。だが、今のところ関与を決定づける有力な証言は得られていない。調査委は夏場所の開催に向け、今月中旬にも結論を出したい意向だが、メールでのやりとり以外に有力な証拠はなく、携帯電話の解析も頓挫している。そんな中で唯一の決定打となるのは“自白”だが、だからといって自白を強要するような強引な手法が許されることにはならない。

 ある協会関係者は「昨夏の野球賭博で上申書を提出すれば無罪放免的なことを言っておいて事実は違っていた。みんな委員会には相当な不信感を持っている」と話す。安壮富士が“クロ前提で聞かれた”と告白したことを伝え聞いた調査委のある委員は「そんなことを言ったの?調査委としては何も申し上げられない」と険しい表情を見せた。調査が難航する一方で、さらに調査方法にも問題が発覚。全容解明への道はまだまだ険しそうだ。

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2011年3月6日のニュース