池田勇太が圧巻V!賞金ランクも首位浮上

[ 2009年8月31日 06:00 ]

<VanaH杯KBCオーガスタ・最終日>プレーオフ2H目で優勝を決めガッツポーズする池田勇太

 男子ゴルフツアーVanaH杯KBCオーガスタ最終日は30日、福岡県糸島郡の芥屋ゴルフ倶楽部(7146ヤード、パー72)で行われ、シード1年目の大器、池田勇太(23=フリー)が圧巻のバーディーラッシュで2勝目を挙げた。4位からスタートして大会レコードタイとなる63をマーク。通算21アンダーで今野康晴(36=森インベスト)とのプレーオフに持ち込み、2ホール目でバーディーを奪って決着をつけた。6月の日本プロに続くツアー2勝目で、賞金ランキングでも首位に躍り出た。単独首位から出た石川遼(17=パナソニック)は66で回って通算20アンダーとしたが、1打及ばず3位に終わった。

 ひたすらバーディーを積み重ねた先に優勝が待っていた。プレーオフの2ホール目、2メートルのバーディーパットを沈めた池田はにっこりと笑ってガッツポーズ。この日11個目、4日間で31個目となるバーディーで競り合いにケリをつけた。
 「勝てたねって感じ。いけるもへったくれも、いつの間にか優勝争いしていたよ」。池田はいつも通りのぶっきらぼうな口調で振り返った。
 前半はプレーがかみ合わずに足踏みしていたのが、後半に入って驚異的な追い上げを見せた。11番から怒とうの5連続バーディーを奪うと17、18番も連続バーディーで後半9ホールは29。「波に乗って何もかも悪いことを忘れた」と同組だった今野とともに大会記録の63をマークしてプレーオフに突入した。
 初のメジャー出場となった先月の全英オープン後に左太腿裏肉離れを発症。前週の関西オープンは欠場して練習を再開したのも開幕1週間前の19日だったが、不安を払しょくするゴルフを見せた。アクシデントに見舞われた一方でうれしい出来事もあった。全英後には尾崎将司の自宅に招かれて一緒に食事をした。あこがれの人と過ごした時間は池田にとって大きな刺激となった。
 並み居る有力プロをねじ伏せての2勝目で賞金ランクは1位に浮上し、73年のジャンボの26歳を更新する最年少賞金王も視界にとらえた。「まだ年間の半分終わっただけじゃ分かんねえべよ!すぐに抜かれるよ」と本人は謙そんしたが、賞金ランク2位の石川と2人で確実に新時代の足音を刻み始めた。
 石川については「別にあまり気にはしてない。でも、どこかで刺激にはなっていると思うよ」と話すのみ。ただし、もちろん後輩に後れをとるつもりはない。池田のキャディーバッグにつるされた木札、そこには「主役は俺(おれ)だ!」という文字が彫られている。
 ≪勝てない…今野 プレーオフ5戦全敗≫今野はこれでプレーオフ5戦全敗。「(勝てない理由は)分からない。ただ、テンションがあまり上がらないんですよ。気持ちが切れるのかなあ」と首をひねる。頸椎(けいつい)ヘルニアが原因の右手の指のしびれのため、約3カ月間欠場し先週の関西オープンから復帰したばかり。この日も途中から人さし指がしびれてきた。そんな状態でプレーオフまで持ち込めた。「2位はまあまあ。プレーオフでない2位だったらもっと良かった」というのが正直なところだった。

続きを表示

2009年8月31日のニュース