入江陵介「世界」に0秒02まで迫った

[ 2009年5月10日 06:00 ]

<日豪対抗>男子100メートル背泳ぎで世界記録に0秒02差に迫る52秒56をマークし、日本新で1位となった入江陵介

 競泳第1回日豪対抗は9日、キャンベラのオーストラリア・スポーツ院(AIS)で開幕し、男子百メートル背泳ぎで入江陵介(19=近大)が、五輪2連覇のアーロン・ピアソル(米国)の世界記録に0秒02に迫る世界歴代2位の52秒56をマークして1位となった。古賀淳也(21=スウィン埼玉)の日本記録を0秒31更新した。男子四百メートルリレーの日本(藤井、奥村、原田、伊藤)は3分17秒05の日本新記録を出した。同百メートル平泳ぎは立石諒(19=キッツウェルネス藤沢)が自己ベストを0秒32更新する59秒48の好記録で優勝した。

 タイムが電光掲示板に映し出されると、プールサイドのチームメートが一斉に歓声を上げた。二百メートルを得意とする入江が、百メートルでピアソルが持つ世界記録に0秒02差、距離にすると約3・8センチ差に迫る快記録。「調子は良かった。ベスト記録は出ると思ったが、あんなに出るとは」と声を弾ませた。
 53秒19の自己ベストで泳ぎ、2位に入った4月の日本選手権からさらに成長した。同選手権の前半50メートルは26秒07でカバーしたが、この日は25秒77まで縮めた。得意とする後半ではピアソルよりも0秒10速い26秒79。日本選手権で完敗した古賀、北京五輪銅メダルのストッケル、同5位のデラニーに圧勝した。
 この日は日本代表の平井ヘッドコーチの方針で、日本選手権で高評価を得たデサント社製のラバー水着を着用したことも好記録誕生を後押ししたのかもしれない。入江は「後半が得意という自分の持ち味を出せた」と話した。
 日本選手権で世界記録に0秒08差の1分54秒02を出した二百メートルに続いて、百メートルでも世界記録は目前だ。北京五輪では出場権を逃すなど苦手にしていた種目だが、不得意なバサロキックを強化。さらに道浦コーチは「肩まわりの筋肉がつき、ストロークも大きくなった」という。
 きょう10日は得意の二百メートルに出場するが、平井ヘッドコーチは「世界新記録が出ると思う」と期待する。今大会は2012年ロンドン五輪へ向けた競泳日本代表の初の国際大会。日本の新エースが力強いスタートを切った。

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2009年5月10日のニュース