「見知らぬ人からもらったタバコ」で東芝ガタガタ

[ 2009年2月14日 06:00 ]

東芝はひたすら頭を下げた…

 ラグビー・トップリーグの東芝は13日、トンガ出身のWTBクリスチャン・ロアマヌ(22)が大麻成分に陽性反応を示したドーピング違反が確定し、退部処分としたと発表した。チームは日本選手権の出場を辞退し、3月末まで活動を自粛するなどの処分も決定。日本ラグビー協会は東芝に厳重注意処分、ロアマヌに無期限資格停止処分を科し、東芝が出場を予定していた22日の東京・秩父宮ラグビー場での準決勝1試合を中止とした。

 今季のトップリーグ王者が、日本選手権に出ることなくシーズンを終えた。1月12日のサントリー戦後、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の検査で大麻に含まれるカンナビノイドに陽性反応を示したロアマヌが、予備検体による再検査でも陽性となった。東芝はラグビー部がある府中事業所で会見し、企業スポーツ担当役員の谷川和生専務が「日本ラグビー協会から厳重注意処分を受け、日本選手権の出場辞退を決定した」とロアマヌの退部を含む処分内容を発表した。
 大麻摂取について「身に覚えがない」と否定していたロアマヌも吸引の可能性を認めた。JADAの聴聞に対し、昨年大みそかに東京・六本木のクラブで「見知らぬ人からもらって吸ったタバコが変な味がした。大麻だったかもしれない」と話したほか、1月2日にも遠征先の福岡のクラブでタバコをもらったという。元日本代表のロアマヌは埼玉工大を中退して今季加入。大学時代、今年1月に窃盗容疑で逮捕されたヴィヴィリ・イオンギ元選手(24=退部)とともに六本木で女子プロレスラーにケガをさせて逮捕されたが、谷川専務は「ロアマヌから東芝でやりたいと申し出があり、獲得した。前科は後日知った」と調査不足を認めた。昨夏にラグビー部寮から社宅へ引っ越したため生活指導も徹底できず、同専務は「管理体制が甘かった」と唇をかんだ。
 東芝の辞退を受け、日本協会は22日に秩父宮で予定していた準決勝を中止。前売り券の払い戻しの問い合わせなど対応に追われた。東日本地区で秩父宮からの生中継を予定していたNHKも、大阪・花園での準決勝残り1試合の放送に切り替えた。大麻問題は準決勝の1つが消滅する事態を引き起こし、ラグビー界に汚点となって残った。

 【監督代行も主将もただただ謝罪】東芝の和田監督代行とWTB広瀬主将が「多くのラグビーファンや関係者に迷惑をかけ、おわびしたい」と声を詰まらせながら謝罪した。選手とスタッフはこの日午前、クラブハウスで谷川専務から日本選手権出場辞退を伝えられた。広瀬主将は「ショック。ラグビー界だけではなくスポーツ界を揺るがすことなので(辞退を)真しに受け止めます」とポツリ。今後は3月末まで個人練習となり、選手は後日、尿検査を受けるという。

続きを表示

2009年2月14日のニュース