若麒麟は「解雇」、尾車親方は2階級降格

[ 2009年2月2日 11:10 ]

若麒麟真一容疑者

身内に甘い体質を露呈 武蔵川理事長ら処分なし

若麒麟、ノートに「逮捕されたらリスク」

 日本相撲協会は2日午前、東京・両国国技館で理事会を開き、大麻取締法違反容疑で逮捕された十両の若麒麟真一(本名鈴川真一)容疑者(25)を解雇した。昨年、大麻問題を起こしたロシア出身力士3人と同様の処分で、現役力士の解雇は7人目。同容疑者の師匠、尾車親方(元大関琴風)には委員から平年寄へ2階級降格処分が科された。
 理事会では、信頼回復に取り組む途中の問題だけに、解雇よりも重く、退職金にあたる養老金を支払わない角界初の除名を求める意見も出た。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「かわいそうという意見もあって解雇にした」と説明した。同理事長を含む理事への処分はなかった。
 若麒麟容疑者から請求された場合、相撲協会は約500万円とされる支払いに応じなければならない。このため理事会では、解雇でも養老金を受け取れないようにするための規定改正に、早急に着手することを決めた。
 また、相撲協会の再発防止検討委員会が2日夕、今回の不祥事からの立て直しや再発防止策を協議した。一昨年の序ノ口力士暴行死事件を機に発足した同委員会は、昨年9月に簡易尿検査を実施。ロシア出身の2力士から大麻に陽性反応が出た。次回から「生活指導部特別委員会」に名称が変更されるが、漫画家のやくみつる氏の外部有識者委員をはじめ、メンバーに変更はない予定。

 若麒麟容疑者は兵庫県出身。1999年春場所で初土俵、2004年秋場所で十両に昇進、07年九州場所で新入幕。幕内を3場所務めた後、十両に転落した。最初は押尾川部屋に入門したが、師匠が定年を前に部屋を閉めたため05年に尾車部屋に移った。

 ▼武蔵川理事長の話 (若麒麟容疑者の)除名を求める声もあったが、25歳と若いし、第二の人生を考えればかわいそうという意見もあって解雇にした。今後はドーピング検査を含め、抜き打ち検査を数(多く)やっていく方向。(養老金支給など)今後は見直さなきゃいけない点が多々ある。

 ▼尾車親方の話 若麒麟の解雇処分と私の降格処分を言い渡されました。処分に関しては当然のことで、弁解の余地はまったくない。

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2009年2月2日のニュース