55分で終わった…錦織“来年こそV”

[ 2008年10月3日 06:00 ]

第1セット、サーブを放ち、ラケットまで“飛んで行ってしまう”錦織

 テニスAIGジャパン・オープン第4日は2日、東京・有明コロシアムで行われ、男子シングルス3回戦で、世界ランキング84位の錦織圭(18)は同13位の第4シード、リシャール・ガスケ(22)に1―6、2―6で完敗し、ベスト8進出はならなかった。1年に1度の日本でのツアーは16強どまり。来年大会には成長して戻り、優勝することを誓った。なお、シングルスの日本勢は男女全員が敗退した。

 最後はガスケに3本連続でサービスエースを決められた。錦織は一歩も動けず、ガックリ肩を落とした。わずか55分間の試合で、奪ったゲームは3つだけ。昨年準優勝の実力者に力負けだった。
 「相手の攻撃は速くて、いろんなことをやってきた。自分のプレーが思うようにできなかった」
 ガスケはテンポの速いライジングショットに、ドロップショットなどを交ぜた変幻自在のプレーを展開。先に仕掛けてくる相手に主導権を握られ、得意のフォアで攻めるチャンスをつくれなかった。「小さいころから知っている選手で、少し尊敬しすぎた。様子を見ていこうと思ったけれど、勝てる自信がわいてこなかった」。ガスケは15歳で全仏オープン本戦に出場した天才。今年の全米では世界4位のフェレールに勝った錦織も、その才能をランキング以上に意識してしまっていた。
 それでも、プロデビュー戦となった昨年の1回戦負けから今年は16強。「日本でできるのは1つしかないし、4大大会に匹敵する戦い」という大会で「昨年よりリラックスしたプレーができた。自信になった」と成長を実感できた。課題も「サーブと体力」と明確だ。3日連続の試合で、この日は疲労性の腰痛を発症。エースはガスケの7本に対し錦織はゼロと、世界トップとはサーブ力の差もある。その分、伸びしろは十分にある。
 この日は大会歴代2位の1万3536人が詰めかけ、約300人が入場を断られた。その観衆に向け、錦織は試合直後の場内インタビューで「来年は優勝に向けて頑張りたい」と宣言。記者会見では「ちょっと勢いで言ってしまった」と照れ笑いを浮かべたが、この1年間、次々と日本男子テニスの歴史を塗り替えた男の言葉は説得力十分だった。

 ▼ガスケの話 私の方が経験がある分、余裕があった。錦織は強いフォアとバックハンドを持っている。大成したら手ごわくなる。将来トップ10に入る選手だと思う。

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2008年10月3日のニュース