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「未来に伝えていかなければ」 佐々木朗希が応援する大船渡の防潮堤アート クラファン挑戦中

[ 2023年3月12日 14:38 ]

大船渡駅近くにある防潮堤に飾られたモザイクタイルアート。過去の大地震で襲った津波の高さも分かるようになっている(撮影・安田健二)
Photo By スポニチ

 侍ジャパンの佐々木朗希(21)が野球世界一を決めるWBCのチェコ戦で力投した11日、高校時代まで過ごした岩手県大船渡市の沿岸では佐々木朗が応援している防潮堤アートの展示が始まった。

 展示場所は大船渡駅近くに建設された海抜7・5メートルの防潮堤。地域の小中高生や市民らが参加し、青を基調としたモザイクタイルで木や津波の高さを伝えるアートを作り上げた。

 「1000年後へ、つなぐ」をテーマにした「三陸ブルーラインプロジェクト」のメンバーを中心とした取り組み。震災の記憶を後世に伝えていくのが目的。5月26日まで展示される。

 メンバーの1人で同市在住の佐藤優子さんは11日夜に市内で開かれたWBCのパブリックビューイングを訪れ試合の最後まで観戦。ヒーローインタビューでお立ち台に立った佐々木朗を見て「朗希くんのように私たちも頑張らなきゃと改めて思いました」と記憶の風化させないよう活動に励んでいくことを改めて誓った。同じくメンバーの佐藤世紀さんは「持続的な取り組みにするために色々とアイデアを出している最中です」と明かした。

 出身地の陸前高田市で被災し、小4から高校まで大船渡で過ごした佐々木朗もこの取り組みに共鳴し応援メッセージを発信している。「私は多くの方々に助けられました。いまの自分があるのもたくさんの支援があったから。これからは、地元のためにもっと発信していきたいと考えています」とし「このプロジェクトは、地域の子どもたちがアートに触れながら防災を学べる大切な試みだと思います。子どもたちには自分と同じ悲しみを味わってほしくないと切に願います。だから、未来に伝えていかなければならない」と強調。「三陸ブルーラインプロジェクトによって、大切なふるさとの未来が明るくなるよう、私は応援します」と呼びかけている。

 同プロジェクトではタイルの費用などを募るクラウドファンディングに挑戦中。12日午後2時時点で約200万円の寄付が寄せられている。500万円の目標金額に対しては約4割。締め切りまで残り8日で佐藤世さんは「まずは我々の取り組みを全国の方々に知っていただきたい。その上で支援の輪が広がっていけば嬉しく思います」と話した。

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2023年3月12日のニュース