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昆虫食巡り対応に追われる企業…酒田米菓、コオロギパウダーは「一切使用しておりません」

[ 2023年3月4日 09:21 ]

 せんべいで知られる酒田米菓(山形県酒田市)が、昆虫食に関してツイッターなどで拡散している情報を否定する声明を発表している。

 2日、同社ホームページに「お問い合わせを多数いただいている件に関してのお知らせ」として文書を掲載した。ツイッターで「昆虫食を推している日本企業&研究機関MAP」という画像が拡散。その画像には様々な企業や研究機関が掲載されており、酒田米菓も入っていた。

 同社は佐藤栄司社長の文責で、「現状お客様の不安が募る一方であり、更には事実とは異なった情報が拡散されてしまうという状態が予測されましたので、一刻も早く誠実にお客様へ事実をお伝えしなければいけないと思い、こういったご説明の文書を公示し、ご理解をいただけるようにと告知させていただいた次第であります」としている。

 顧客が抱いた不安点、疑問点にQ&Aで回答。【Q1】として「せんべいに『コオロギ』は入っていますか?」という問いには、「弊社の自社製品にはコオロギパウダー等の原料は“すべての商品を対象”に一切使用しておりません」とし、「現状商品化の予定はございません」と説明した。

 「なぜ昆虫食MAPに掲載されているのですか?」とする【Q2】では、「事実として約2年前に試作品として1度、開発依頼はありましたがそれ以降開発しておりません (テーブルテストであり、 本製品の製造ラインは使用しておりません)」とし、以前に蚕を使用したせんべいを製造委託で協力したことが原因ではないかと推察している。

 他にも「補助金や助成金などの優遇は受けているのか?」という問いに「昆虫食を使用した補助金や助成金は一切受けておりません」と答えている。

 食料不足対策として食用コオロギは世界的に注目を集めている。国内でも粉末化して食品への利用が進められている一方で、コオロギなどの昆虫食に嫌悪感を抱く人は多い。ネット上では誤情報も散見される状況で、Pascoで知られる敷島製パン(愛知県名古屋市)が、通販のコオロギパウダー入り商品を巡って、公式サイトで情報を発信するなど企業も対応に追われている。

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2023年3月4日のニュース