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カズ 勝利給増額訴えもボイコットは反対

[ 2010年12月23日 06:00 ]

待遇改善要求について険しい表情で語る横浜FC・三浦知(右端)、左は熊本・藤田会長

 キングが待ったをかけた。日本プロサッカー選手会(JPFA、藤田俊哉会長)が22日、都内で初となるシンポジウムを開催した。JPFAは日本サッカー協会に対し日本代表選手の待遇改善を要求。親善試合のボイコットも辞さない構えを見せているが、J2横浜FCのFW三浦知良(43)はボイコットなど強硬手段の回避を提言した。勝利給増額などの環境面の整備については改革を強く訴えたが、あくまで対話路線を要望した。

 日本代表に強い誇りを持つカズだからこそ言える言葉だった。シンポジウムの最後に行われた日本代表選手の待遇改善に関する会見でカズが言及したのがボイコット問題だった。「僕の個人的な意見ですけど、ストとかボイコットとかはするべきではない。僕らは絶対プレーすべきことをやめてはいけない」とボイコット回避を強く訴えた。

 脳裏にあるのはファンの存在だ。「代表戦にはサポーターが5万、6万人来てくれる。アジア杯も注目されている。試合をやらないようなことはあるべきじゃない」。ファンを裏切ればW杯16強入りで盛り上がったサッカー熱を冷ましてしまう。カズはサッカー界全体のことを考えて強硬論に待ったをかけたのだ。

 JPFAは前日21日に日本協会と交渉。日本代表選手への勝利給の増額、肖像権料の配分、負傷の補償などを要求したが、カズも待遇改善には賛同している。「日本代表はすべてでトップであってほしい」というのが持論。1試合で10万~20万円という勝利給も「J1の方が多くもらっている。代表はもっともらっていいというのが個人的な意見」と増額を求めた。

 会見に同席した藤田会長は「僕たちはストとかボイコットとかいう言葉は一度も使っていない。選手みんなの意見を集約して協会と話し合っていきたい」と今後は“対話路線”で協会との調整を進めることを明言した。カズの言葉が協会と選手会の対立を解消するきっかけになるかもしれない。

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2010年12月23日のニュース