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長島に弟子入り!高木“メダルスピード”体感

[ 2010年2月9日 06:00 ]

練習で、長島圭一郎の後ろについて滑る高木美帆

 スピードスケートのスーパー中学生、高木美帆(15=北海道・札内中)が7日、本番会場の五輪オーバルで練習を行い、男子短距離のエース長島圭一郎(27=日本電産サンキョー)に弟子入りした。志願して長島の後ろについて滑り、「世界一美しい」と言われるフォームを盗み、スピード強化を図った。また、尊敬する男子1000メートルと1500メートルの世界記録保持者、シャニー・デービス(27=米国)と初対面した。

 練習の後半、高木は長島に頭を下げて、練習相手になってもらうようお願いした。長島に「ついて来られなかったら、きょう1日はオレの舎弟だ」と冗談交じりにハッパをかけられたが、背後につくと途中で離されることなく、400メートルのリンクを1周半滑り切った。
 ラップタイム(400メートル)は27秒台。通常なら良くても28秒台。空気抵抗が軽減されるためタイムが縮まるのは当然とはいえ、09年世界スプリント2位で男子500メートルのメダル候補の全力に近い滑りについていったのは確か。長島は「30秒くらいで行こうと思っていたけれど、調子がいいから行っちゃいました。でも、逆について来られた」と苦笑い。スピードの出ない標高4メートルの低地のリンクだけに「このリンクで27秒台でついてくるのは凄い。中学生じゃない」と実力を評価した。
 「最近は速いタイムで滑っていなかったので、お願いして後ろにつかせてもらいました」と高木は意図を説明した。これまでも団体追い抜きの練習で中長距離選手の後方で滑ったことはあるが、今回は特別な意味があった。まず世界トップクラスのスピードを体感し、その感覚を自分の滑りに生かすこと。もう1つが「世界一美しい」と言われる、低く、重心がぶれない長島のフォームから何かを盗むことだった。
 「速いなあと思った。自分はまだまだ。つくのが精いっぱい。直線とかの伸びが違った」という高木。無駄な力を使わない長島のフォームからもヒントを感じた様子だ。
 練習前には、桜井コーチに紹介してもらい、トリノ五輪男子1000メートル金メダリストのデービスと初めて言葉をかわした。デービスは「“僕が15歳の時はテレビで五輪を見ていたよ。慣れないだろうけど、集中を乱さないように”と言ったんだ」と説明したが、高木は「“ヤングスケーター”“グッドラック”ぐらいしか分からなかったけれど、うれしかった。ビックリしちゃって“サンキュー”しか言えなかった」と照れ笑いを浮かべた。それでも尊敬するオールラウンダーとの対面で、モチベーションは上がった。五輪最初のレースは18日の1000メートル。日々貴重な経験を積んで成長を続ける15歳なら、残り11日間で奇跡を起こす可能性も十分ある。
 <田畑らと団体追い抜きの練習も>高木は田畑真紀(35)、穂積雅子(23=ともにダイチ)と一緒にウオーミングアップを兼ねて団体追い抜きの練習も行った。隊列を組んで、1周ずつ先頭を交代しながら10周。終わった後は交代のタイミングについて、20歳年上の田畑と意見交換した。田畑は「“自分のタイミングじゃないから難しい”と言っていた。慣れが必要ですね」と話した。

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2010年2月9日のニュース