藤井正弘の血統トピック

エキストラエンド産駒に潜む勝負強さ

[ 2020年8月26日 05:30 ]

 シリーズ最終回は産駒数の少ない“育成枠”から掘り出し物を探してみよう。

 エキストラエンド(父ディープインパクト)は京都金杯など6勝を挙げたマイラー。父の後継は飽和状態ということなのか初年度産駒はわずか3頭だが、その中から盛岡の芝コースで新馬、重賞の若鮎賞を連勝したマツリダスティールが出た。皐月賞馬ロゴタイプを通じて父系を伸ばしたローエングリンの半弟で、生産部門での勝負強さには血統の裏付けがある。

 14年のマイルチャンピオンシップ優勝馬ダノンシャーク(父ディープインパクト)は、父の初年度産駒で最後にG1ウイナーに上り詰めた晩成型。8歳まで第一線を張ったことで種牡馬入りのタイミングが遅れ、初年度産駒は28頭と実績の割に少ない。血統的にはスタミナ色が濃く、産駒は自身より長めの距離に向くだろう。

 リヤンドファミユ(父ステイゴールド)は重賞未勝利馬ながら、オルフェーヴルの全弟というブランドパワーで16頭の血統登録産駒を得た。本領の芝を走る産駒が果たして何頭出てくるか。

 ダブルスター(父シニスターミニスター)は笠松の快足ラブミーチャンの半弟。地方のダートに特化した血統らしく、産駒11頭のうち、すでに3頭が勝ち上がったことは注目に値する。27日に門別で行われる重賞・リリーCには2勝馬ルイジアンナが出走予定だ。

 14年菊花賞レコード勝ちのトーホウジャッカル(父スペシャルウィーク)の産駒が9頭しかいないのは寂しいが、血統には一発長打のポテンシャルが潜んでいる。 (サラブレッド血統センター)

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