【マイルCS】英国馬ドックランズ 京都で歴史を刻む 過去外国馬最高は3着 陣営「ハッピーでいい状態」
Photo By ゲッティ=共同
秋のG1シリーズ水曜企画は「G1追Q!探Q!」。担当記者が出走馬の陣営に「聞きたかった」質問をぶつけて本音に迫る。「第42回マイルCS」は大阪本社の田村達人(33)が担当。昨年チャリンに続く参戦の英国馬ドックランズは京都競馬場で調整を進めている。欧州の他にもオーストラリア、香港と複数の国を渡り歩き、今年6月クイーンアンSでG1初制覇を飾った実績馬が初来日。同馬を手がける女性スタッフのローラ・パイク助手(41)に「強靱なメンタル」「今が充実期」「舞台設定」の3テーマで聞いた。
【強靱なメンタル】9日、英国馬ドックランズは自国から約34時間の輸送で日本に到着。15日に入厩先である千葉県のJRA競馬学校から馬運車で約11時間かけて京都競馬場に移った。パイク助手は「京都に到着後はすぐに落ち着いて、環境にも慣れた。いつも海外遠征する際は(現地入りから)最初の2日間はカイバを少し減らすけど、3日目からいつも通りに戻している。馬はとてもハッピーでいい状態」と柔らかい表情で切り出した。
馬は繊細な生き物。一般的に飛行機や馬運車と狭い空間に長く閉じ込められる長距離輸送は大きなストレスを与える可能性が大きくなるが、「いろんな国に行くのが好きな馬」。これまでフランス、オーストラリア、香港と複数の国を渡り歩いた。「とても扱いやすくて、今のところ(自国と)変わった様子は見られない」と言い切る。英国でもメンタルの強さはトップクラスで、「常に自分が一番だと思っている」と笑いを誘った。外国馬が日本で最大限のパフォーマンスを発揮するために最も大事なストレスフリー。その難しい条件はクリアしている。
【今が充実期】22年8月に英国でデビュー。海外遠征などで経験を積み、着実に力をつけてきた。今年6戦は全て掲示板を確保しており、6月クイーンアンSでG1初制覇。G13勝ロザリオン(2着)、のちにBCマイルを制したG14勝ノータブルスピーチ(4着)を負かしてのタイトルだから値打ちがある。「この先についてはまだ分からないけど、これまでのキャリアの中で今が一番いい状態」と満面の笑み。5歳を迎え、心技体が整った。
これまで日本馬との対決は4回。まだ競走馬として未完成だった昨年はインターナショナルS7着がドゥレッツァ(5着)、コックスプレート5着がプログノーシス(2着)、香港マイル12着がソウルラッシュ(2着)、ジャンタルマンタル(13着)。ジャンタルマンタル以外はいずれも先着を許したが今年、唯一の対戦である前々走ジャックルマロワ賞4着はゴートゥファースト(5着)、アスコリピチェーノ(6着)に先着している。「日本馬は凄く強い馬が多い。今回はアウェーの日本で(その中でも)一番上のレベルの馬たちと戦うので難しいチャレンジ」とライバルの存在を認めながらも、「実際に先着した実績がありますから。この馬もたくさん経験を積んで、どんどん成長しているので」と胸を張った。
【舞台設定】欧州のマイルG1で堅実さが光る。今までのタイムを見るとマイルで1分34秒台が限界。16年英2000ギニー2着、17年ムーランドロンシャン賞3着だった父マッサートはパワー寄りで、上がりを要する馬場が理想ではあるが祖母バンティブーは95年に芝5FのG3フライングファイブS(現G1)を制した快速馬。スピード勝負に対応できる下地はある。当然、世界的に見ても高速馬場の日本競馬は分析済みで「基本的にいろんな馬場に対応できる頑張り屋さん。(自国より時計が速い京都も)好きな馬場だと思っている」と自信を口にした。
同馬のストロングポイントについて問うと「ロングストライド(大跳び)」と即答。連続4着だった近2走のジャックルマロワ賞、クイーンエリザベス2世Sは「荒れ馬場で切れ味をそがれた」ことが敗因である。ストライド走法なら大箱の京都外回りは合うはず。作戦については「直線競馬の場合はいつも後ろから行くけど、後方からじゃないと駄目な馬ではない。右回りは大丈夫だし(今回は)スタート後、馬が一番気持ちいいポジションで運びたい」とイメージを膨らませた。
これまで延べ12頭の外国馬が参戦し、最高着順は09、11年で3着だったフランスのサプレザ。昨年、同じ英国馬チャリンは5着に敗れた。「参戦を決めたオーナーやトレーナーのためにも歴史的な快挙を達成できるように頑張ります」。壁は高いが愛馬の底力を信じて、G1舞台に送り出す。
【取材後記】昨年のマイルCSもドックランズと同じ英国馬チャリンを取材した。管理するR・ヴェリアン師は12年ジャパンC(スリプトラ17着)以来、12年ぶりの日本参戦。妻はダーレー・ジャパン取締役だった園部花子氏で「日本の文化には強く関心がある」と笑顔で明かしてくれたのが、つい最近のように感じる。結果は5着。あれがラストランで有終の美を飾ることはできなかったが「挑戦できたことを誇りに思う」と悔いのないトレーナーの表情が格好良かった。
ドックランズを手がけるローラ・パイク助手は84年4月24日生まれ。生年月日を聞くと「馬ではなくて私?」と想定外の質問に照れくさそうだったが、取材中はしっかり目を見ながら丁寧に受け答えをしてくれる優しい女性だった。「とても馬はハッピー」。ここまで順調なのが、ひと目で分かる明るい表情。最初から最後までポジティブな発言しか出てこなかった。
通訳を介しての楽しい取材。取材後は「サンキュー」と感謝の気持ちを伝えたところ、「ありがとうございます!」と流ちょうな日本語で返してくれた。昨年もそうだったが、ユーモアあふれる英国の国民性か?馬も人も日本でのチャレンジを全力で楽しんでいるように感じる。 (田村 達人)
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