【中山金杯】リカンカブール 津村で初笑い!好位抜け出し重賞初制覇

[ 2024年1月7日 05:18 ]

中山金杯を制した(3)リカンカブール(撮影・村上 大輔)
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 24年の中央競馬開幕を告げる東西金杯が6日、中山&京都競馬場で行われた。「第73回中山金杯」はリカンカブールが差し切って重賞初勝利。管理する田中克典師(36)は開業4年目でうれしい初タイトル。前日5日が38歳の誕生日だった津村明秀は1日遅れのバースデーVとなった。

 名手・津村ここにあり。リカンカブールは出負け気味のスタート。そのまま位置を下げるのが定石だが、津村は違った。「今日の芝のレースを見ていたら時計が速くて前が止まらなかった。だから位置を取りにいこうと」。好スタートを切った両脇の馬の間を縫ってポジションを上げる。1角では絶好イン3番手。道中は折り合いに気をつけながら、経済コースをロスなく運ぶ。直線では不利を受けにくい外へスムーズにエスコート。しっかりエネルギーがたまっていたリカンカブールは持ち前の瞬発力を爆発させ、先頭でゴール板を駆け抜けた。

 テン乗りで相棒を重賞初制覇に導いた津村。「どんな競馬でもできると聞いていた。だから僕のイメージで乗りました。4角でも手応え抜群で、こちらの期待通り先頭に立ってからもしっかり走れていたね」とレースを振り返る。JRA重賞16度目の挑戦で初戴冠となった田中克師は満面の笑み。「素直にうれしい。素質がある馬なので、なんとかタイトルを獲りたいと思っていた。うまいジョッキーだとは分かっていましたが、本当に上手に乗ってくれた。いいポジション取りでしたね」と鞍上の手腕に感嘆した。

 津村は前日5日が誕生日。例年なら5日に行われる金杯が、今年は日程の都合上6年ぶりに6日開催となった。「久しぶりに誕生日が金杯じゃなくて残念でしたけど…。(最初の重賞で勝つのは)気持ちいいですね」と本音を交え喜んだ。昨年はデビュー20年目でキャリアハイとなる56勝をマーク。「今年は昨年以上の結果を出したいと思います」と意気込む。09年にタマモサポートでスポニチ賞京都金杯を勝利しており、これで東西金杯制覇となった38歳。さらなる飛躍への一年が、最高の形で幕を開けた。

 ◆リカンカブール 父シルバーステート 母アンブラッセモワ(母の父ゾファニー)19年4月16日生まれ 牡5歳 栗東・田中克厩舎所属 馬主・ラ・メール 生産者・北海道浦河町の辻牧場 戦績10戦5勝(重賞初勝利)総獲得賞金1億849万円 馬名の由来はチリとボリビアの国境にある山の名前。

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