トウケイヘイローの運命変えた武豊の手腕に期待

[ 2023年7月14日 05:00 ]

2013年の札幌記念を勝利したトウケイヘイローと武豊
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 【競馬人生劇場・平松さとし】今週はたまたま武豊騎手の顔を連日拝むことになった。月曜日はセレクトセールの会場となった苫小牧市のノーザンホースパークで、翌火曜日は函館で、そしてそのまた翌日の水曜日はジャパンダートダービー(Jpn1)が行われた大井競馬場で。今年54歳となったレジェンドだが相変わらず引っ張りだこの忙しい日々を送っているようだ。

 週末は函館競馬場で騎乗予定の同騎手。今週は函館記念(G3)が行われるが、武豊騎手と同レースで思い出されるのがトウケイヘイロー(栗東・清水久詞厩舎)だ。

 2013年に函館記念を勝ったこの馬は、その時が直前の鳴尾記念(G3)に続く重賞連勝だったのだが、実は陣営は積極的に鳴尾記念を使ったわけではなかった。同年3月にダービー卿CT(G3)で初の重賞制覇を飾った同馬は、それまで1200~1600メートルばかりを使われていた。「短距離戦でも掛かるから」(清水師)というのが短い距離を使っていた理由。だから、春の最大目標も安田記念(G1)に置いていた。ところが前哨戦の京王杯SC(G2)を8着に敗れてしまったことで、G1は除外対象に。仕方なく使ったのが鳴尾記念だったのだ。当時、清水師は次のように語っていた。

 「自己条件(1600万条件)も使えたのですが、鳴尾記念ならたまたま武豊騎手が空いているということで、思い切って出走させることにしたんです」

 すると、さすがは天才騎手。“短距離でも掛かってしまう馬”で見事に距離を克服。6番人気の低評価を覆し、先頭でゴール。これを機に、トウケイヘイローは中距離路線に進路を変更すると、冒頭で記したように函館記念も優勝。さらに札幌記念(G2)も勝利して2000メートルの重賞を3連勝。天皇賞・秋(G1)は10着に沈んだが、その後の香港カップ(G1)は2着に健闘。翌年はドバイやシンガポールへも遠征するなど、一気にグローブトロッターとなったのだった。

 果たして今年のパートナーであるドーブネ(栗東・武幸四郎厩舎)とはどんな未来が待っているのか。注目したい。 (フリーライター)

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