【米・G1ケンタッキーダービー】合田直弘氏 フォルテ V6戴冠 能力の高さを信頼

[ 2023年5月6日 05:07 ]

合田氏が本命に推すフォルテ
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 米国競馬の祭典「第149回ケンタッキーダービー」は日本時間、7日朝にゲートイン。各地区の前哨戦の勝ち馬が注目される中、負けたメンバーは本番で逆転のチャンスをうかがう。UAEダービーの勝利で米国行きの道を切り開いた日本馬デルマソトガケが偉業に挑む。大井のマンダリンヒーローは補欠から繰り上がりで出走へ。さあ、大舞台にたどり着いた20頭のガチンコ勝負。「スポーツの中で最も偉大な2分間」と称されるビッグイベントを楽しもう。JRAは6日午前7時から馬券を発売する。

 UAEダービーの内容が非常に良く、現地入りしてからの調教でも抜群の動きを見せているデルマソトガケに、大きな期待を寄せているが、ここだけは運を天に任せるしかなかった枠順抽選で、恵まれない外枠を引いてしまった。前走がUAEダービーという優勝馬は1頭もいないという前例を粉砕してほしいと願う一方、先行したい馬にとっては非常に厳しい枠で、重い印は打ちづらくなった。

 過去20年で5頭のケンタッキーダービー勝ち馬を送り出し、本番と最も相性の良い前哨戦となっているのがガルフストリームパーク競馬場を舞台としたフロリダダービーだ。今年の同競走を制したのが、昨年の全米2歳牡馬チャンピオン・フォルテである。4つのG1を含めて重賞5連勝中という実績は、今年の米国3歳世代では明らかに最上位で、この馬が中心とみる。前走が消耗の激しい競馬で、その後の調教が軽いのがいささか気がかりだが、ここは能力の高さを信頼したい。

 有力馬の多くが中団以降から差す競馬を得意とする中、先行力があるキングズバーンズを2番手に取った。昨年の2着馬エピセンター、一昨年の1、2着馬マンダルーン、ホットロッドチャーリーの前走がいずれもフェアグラウンズ競馬場のルイジアナダービーで、前哨戦という面での最新トレンドとなっている同競走を、3馬身半差で快勝し、無敗の3連勝を飾った同馬。6番という好枠を引いたことで、自分の競馬ができる見通しが立ったと見ている。 (競馬評論家・合田直弘)

 ▽チャーチルダウンズ競馬場 中東部ケンタッキー州ルイビルにある米国競馬の聖地。開場当日の1875年5月17日に第1回ケンタッキーダービーとケンタッキーオークスが行われた。ダートコース(1周1600メートル)の内側にある芝コース(1周1400メートル)は1985年に増設。ダート2000メートルのスタート地点はスタンド前の直線入り口に設けられ、1コーナーまで450メートルあるが多頭数の外枠は不利とされる。スターティングゲートが導入された1930年以降、勝率と連対率は5番ゲート、複勝率は10番ゲートがトップ。17番ゲートは唯一、未勝利となっている。コーナーがきつく極力、減速しないで回れるかが鍵。4コーナーを回ってからゴールまで直線380メートルで差しは利きづらい。

 ▽ルイビルの天気と馬場 当日、ケンタッキー州ルイビルは曇り、降水確率10%の予報、予想最高気温25度。この時季は雨が多く、天気が変わりやすいが良馬場の見込み。砂100%の日本のダートと違い、粘土が混ざった米国のダートは乾いていると硬く、芝並みの時計が出やすい。昨年は大外スタートのリッチストライクがイン強襲で差し切ったが基本は先行有利だ。73年ケンタッキーダービーでセクレタリアトがマークした1分59秒40がコースレコード。

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