【マイルCS】セリフォス G1初V 圧巻のごぼう抜きでレース史上初の父子制覇

[ 2022年11月21日 05:30 ]

<マイルCS>大外から豪快に差し切ったセリフォス(左)
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 マイル王襲名に似合う圧巻のごぼう抜き!20日、阪神競馬場で行われた「第39回マイルチャンピオンシップ」は3歳馬セリフォスが名手ダミアン・レーン(28)を背に鮮やかな直線強襲劇を演じ、初のG1タイトルを獲得。デビューから全8戦でマイルの距離に起用するこだわりが実を結んだ。父ダイワメジャー(06、07年V)との父子制覇はレース史上初。2着はダノンザキッド、3着にソダシ。1番人気のシュネルマイスターは5着に敗れた。

 新マイル王の誕生だ。残り400メートル、馬群の外からセリフォスが異次元の脚で突っ込んでくる。残り200メートル、馬上のレーンがこん身の左ムチを一発。その鼓舞に応えるようにグイグイ加速し、古馬の強豪マイラーを置き去り。上がり3F33秒0とメンバー最速の鬼脚で突き抜けた。「追い出して2、3完歩目で凄くいい瞬発力だった。これなら届く。直線半ばで勝てると思った。珍しく自信を持つことができたね。馬が強い」。豪州の名手もビックリの強さだった。

 道中はリズムキープを最優先し、なだめながら馬群の中で脚をためた。鞍上は「(道中)少し落ち着いたところで、折り合うのに時間はかかったが後半は折り合った」と振り返る。各馬が一斉に動いた4角手前。馬群の外に持ち出すと焦らず、ワンテンポ追い出しを待った。直線に入った時点では後方グループだったが、終わってみれば圧勝。19年有馬記念(リスグラシュー)以来4度目のJRA・G1勝利となったレーンは「なかなか言葉が出てこない。前回(G1を)勝ってから少し時間はかかったけど勝つことができた。ハッピーです。日本が大好き」と喜びを口にした。

 昨年、デビュー3連勝で新潟2歳S、デイリー杯2歳Sとマイル重賞を2勝した。暮れの朝日杯FSはのちのダービー馬ドウデュースに半馬身及ばず2着。今年はNHKマイルC、古馬初挑戦の安田記念と続けて4着。もう一歩が届かなかったが陣営は早くから適性を見極め、マイル一本で勝負し続けた。その信念がついに実を結んだ。中内田師は「この距離がベストと思って使ってきました。2歳の時から期待されて、ようやく結果を出せましたね。ひとつ成長してくれました」と誇らしげに語った。

 古馬の分厚い壁を破って18年ステルヴィオ以来、4年ぶりに3歳マイル王が誕生した。「暮れの香港は辞退しているので。次は馬の状態を見ながらオーナーと相談します」と中内田師。セリフォス政権は始まったばかり。伸びしろたっぷりの新王者がマイル戦線をけん引していく。

 セリフォス 父ダイワメジャー 母シーフロント(母の父ルアーヴル)19年3月7日生まれ 牡3歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・G1レーシング 生産者・北海道安平町の追分ファーム 戦績8戦5勝(重賞4勝目) 総獲得賞金3億9570万6000円。馬名はエーゲ海にある島名。母名より連想。

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2022年11月21日のニュース