【小倉記念】マリアエレーナ重賞初V!5馬身差圧勝!“金子ブランドの結晶”待望素質開花

[ 2022年8月15日 05:20 ]

<小倉11R・小倉記念>圧勝で重賞初制覇を果たしたマリアエレーナ(撮影・中村 達也)
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 サマー2000シリーズ第3戦「第58回小倉記念」が14日に小倉競馬場で行われ、2番人気に支持されたマリアエレーナが直線後続を置き去りにして5馬身差で圧勝。重賞初制覇を果たした。

 照りつける日差しも他馬のプレッシャーも余裕ではね返した芦毛の馬体は銀色に輝く鏡。マリアエレーナが直線で後続を置き去りにする圧勝劇で待望の初タイトルを手にした。

 横一線のゴールを前提とするハンデ戦。しかし終わってみれば混戦にもならなかった。金子カラーの勝負服を身にまとった松山は涼しげな表情で振り返る。

 「スタートも良かったし取りたいポジションが取れた。馬場の内が少しだけ奇麗。そこを絶対に取りたいと。イメージ通りの競馬ができました」

 果敢にハナを奪うシフルマン。内から好スタートを決めたマリアはそこを取りに動く。位置を決めれば、他馬の動向など気にならない。自分のタイミングに徹するだけ。3角過ぎからシフルマンに積極的に並び掛け、4角で早々と先頭。そこからは彼女の独り舞台だった。

 「逃げ馬の後ろで手応えも良かった。最後は5馬身差ですからね。馬自身も凄くいい脚を使ってくれた。楽な競馬だったし、本当に強かった。暑さも吹き飛ばすような、いい競馬だったと思います」

 松山は誇らしげだ。“金子ブランド”はダテじゃない。金子真人氏が所有した3代母の重賞6勝馬ブロードアピールから同じく同氏所有の名種牡馬を3頭配合したのがマリア。ダービー馬ワグネリアンが叔父になる。遅ればせながら素質が開花したと見るべき。福島助手も成長を口にする。

 「担当もジョッキーも手応えはバッチリだった。惜敗だった前走(マーメイドS2着)を叩いて目標にしてきた小倉記念。思い通りの競馬だったし、馬も力を付けている。精神面も成長し、競馬が上手になった。先が楽しみ」

 真夏の小倉に降臨したプラチナブランドの女神。夏のヒロインが秋はスターロードを突き進む。

 ◆マリアエレーナ 父クロフネ 母テンダリーヴォイス(母の父ディープインパクト)18年4月6日生まれ 牝4歳 栗東・吉田厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道日高町の日高大洋牧場 戦績15戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億4413万1000円。馬名はメキシコのワルツ調の曲名。

 【小倉記念アラカルト】

 ☆騎手&調教師 松山は昨年モズナガレボシに続く連覇(史上3人目)。JRA重賞勝利は葵S(ウインマーベル)以来で今年5勝目、通算31勝目。吉田師は19年小倉2歳S(マイネルグリット)以来のJRA重賞勝利で通算7勝目。

 ☆着差 勝ち馬が2着馬につけた5馬身は、89年ダンツミラクルの4馬身を上回る同レース最大着差。

 ☆種牡馬 クロフネ産駒のJRA重賞勝利はヴィクトリアM(ソダシ)以来で今年2勝目、通算50勝目。

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2022年8月15日のニュース