サセックスSで低評価覆したバスラットレオン 仏でも期待

[ 2022年7月29日 05:20 ]

バスラットレオン
Photo By スポニチ

 【競馬人生劇場・平松さとし】

 バスラットレオンが果敢に逃げて4着だったサセックスS。舞台となったグッドウッド競馬場は、そのロケーションの美しさで英国でもNo・1と言われる競馬場だ。若い頃、英国ニューマーケットで3カ月を過ごした矢作師は次のように語る。「すぐ近くのブライトン競馬場に行ったことはあるのですが、グッドウッドはなかなか機会がなくて、今回初めて来ることができました。一度は来てみたいと思っていたのですが、話に聞いていた通りの美しい競馬場ですね」

 しかし、同時に次のようにも思ったと続ける。「馬場は起伏が激しく、見るからにタフ。これをこなすのは簡単ではないでしょうね」

 過去にディアドラがナッソーS(GI)を制した(19年)ように、日本馬でも克服したことがあるとはいえ、彼女は日本でもGIを勝っていた実力馬。対するバスラットレオンはドバイでゴドルフィンマイル(G2)を勝っているものの、国内でのGI実績は皆無といっていい馬。今回のサセックスSには4連勝中のGIを含め、デビューから8戦8勝のバーイードなどがいて、戦前からかなり厳しいと言わざるを得ない状況。現地のブックメーカー(政府公認私設馬券発売所)でも、軒並み最低人気という下馬評だった。

 ところがスタートと同時にハナを奪った日本からの挑戦者は直線で一度は後続を突き放す見せ場を演出。最後はバーイードなどにかわされ4着に敗れたが、低評価を覆す走りに地元の関係者やファンからも喝采が送られた。

 「自分としてはダークホースという評価に違和感がありました。バーイードは強かったけど、他とは差はありませんでした。この後は予定通りフランスのジャックルマロワ賞(GI)に挑戦します」。これまでも世界中であっと言わせてきた“世界のヤハギ”は力強くそう語った。ジャックルマロワ賞は8月14日、フランスのドーヴィル競馬場で行われる。その1週前のモーリスドゲスト賞(GI)に挑戦する僚馬キングエルメス(牡3)と共に、バスラットレオンは、30日には英国を後にして仏国入りする予定だ。今回以上の走りを期待したい。(フリーライター)

続きを表示

2022年7月29日のニュース