【クイーンS】洋芝でホウオウピースフル!適正高い血統 兄・ブラストワンピースも重賞V

[ 2022年7月29日 05:30 ]

札幌芝コースで追い切ったホウオウピースフル(撮影・千葉茂)
Photo By スポニチ

 洋芝でピース!今年の札幌での初の重賞「第70回クイーンS」の木曜追いが28日に行われた。重賞初Vを狙うホウオウピースフル(5=大竹)は札幌芝コースでパワーあふれる走りを披露。兄ブラストワンピースも重賞(札幌記念)を制した地で念願のタイトル奪取をもくろむ。

 蹴散らされる洋芝がかわいそうなほどだ。単走のホウオウピースフルが芝コースの大外で蹄音を鳴らす。調教助手が少しだけ促すと素早く反応した。グイン。外ラチ沿いを猛烈に加速する。5F69秒3~1F12秒1。そしてゴール板を過ぎても緩めない。自慢の末脚は1角過ぎまで伸びた。

 「予定通り。1回叩いてできているし促す程度。気持ちも乗っているしいい動きだった」。大竹師の表情は晴れやかだ。

 札幌芝1800メートル。舞台はぴったりだ。楽に突き抜けたデビュー戦がまず同舞台。前走は函館で完勝。兄の18年有馬記念馬ブラストワンピースも19年に札幌記念を制しており、弟ブラストウェーブも10日に函館で新馬戦V。つまり、洋芝に抜群の適性を示す一族だ。指揮官も「滞在と洋芝が合っている。札幌はコーナーでスピードを上げられるコース形態も合う。持ち味を生かしやすい」。自信を持って太鼓判を押した。

 鞍上は横山武に決定。来週、英国アスコットで行われるシャーガーCに世界選抜として参戦する若き名手だ。横山武はまたがりはしなかったが大竹師とともに調教を確認。追い切り後に周回したパドックにも付いて行き、入念にチェック。顔をなでて“ファーストコンタクト”も終えた。師は「見てもらって癖や特徴をつかんでもらった。競馬の仕方よりもゲートが開くまでのアプローチなどを話した」。打ち合わせは、ばっちりだ。

 あとは気持ち。敏感で繊細。わずかな変化や刺激がパフォーマンスに影響を及ぼす。師は「元々持っているものはいい。日を重ねるごとに環境になじんできている。年齢を重ねて気持ちも落ち着いてきた。重賞は3歳時にフローラS2着。タイトルを獲りたいね」。最適の舞台で輝く。でっかい夢は北海道でかなう。

 ▼洋芝 日本の芝コースで主に使われている野芝に比べて耐久性は劣るが寒冷な気候に強い。保水性が高いためクッション値が低く時計がかかる。また、生える密度も濃いため絡みつく重たさがありパワーを要する。札幌と函館のみ100%洋芝。他の競馬場は野芝の上に洋芝をまく「オーバーシード」。北海道の洋芝はケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクの3種を混合している。

続きを表示

2022年7月29日のニュース