【七夕賞】カッチー 3年ぶり重賞勝ったぁ~!エヒトで2馬身半差快勝導く

[ 2022年7月11日 05:25 ]

<福島11R・七夕賞>エヒトでレースを制した田中勝は勝利騎手インタビューを終え笑顔でガッツポーズ

 これぞベテランの業だ。サマー2000シリーズ開幕戦「第58回七夕賞」は6番人気エヒトが大外16番枠からカッチーこと田中勝春(51)に導かれ、巧みな立ち回りで重賞初制覇。鞍上は19年函館記念(マイスタイル)以来の重賞Vで02年イーグルカフェ、03年ミデオンビット以来このレース3勝目となった。

 3年ぶりの重賞制覇を果たした田中勝。勝利騎手会見に登場すると「久しぶりだな、これ!」と、ちゃめっけたっぷりのカッチースマイルがはじけた。エヒトは大外16番枠からスタート。スムーズにゲートを出ると、すんなり6番手の外につけた。ロザムールが逃げ、トーラスジェミニが2番手でマークする展開は、前半1000メートル通過が58秒5のハイペース。3角過ぎから上昇し、4角では3番手。ロザムールを早めに捉えると、最後までしっかり脚を伸ばして後続に2馬身半差をつける完勝。1分57秒8のレースレコードで重賞初制覇を飾った。

 エヒトの新馬戦(8着)に騎乗したのはカッチーだった。20年11月の本栖湖特別(7着)でも騎乗しており、今回が3度目のコンビ。「調教の段階から調子がいいと聞いていた。返し馬から精神的に成長していて、いい感じだなと。今までで一番いいスタートを切ってくれて、いい位置につけられたし、3角では自らハミを取ってグイグイ走っていった。ちょっと(仕掛けが)早いかなと思ったけど、馬を信じて任せた。最後も追ったらグイッと伸びてくれた」と振り返った。

 カッチーのJRA重賞制覇は19年函館記念(マイスタイル)以来で通算51勝目。七夕賞3勝は柴田善臣、戸崎圭太と並ぶ現役最多となった。今年2月にはJRA通算1800勝も達成。以前のように勝ち星を量産することはなくなったが、ここ一番での“いい仕事ぶり”でベテラン健在を存分にアピールした。常に笑顔を絶やさないカッチーには不思議な魅力がある。周囲の人間も笑顔にしてしまうのだ。この日の会見後も、カメラマンにガッツポーズを求められると「鼻毛出てない?」と答え、報道陣の大爆笑を誘っていた。51歳とは思えないこの“若さ”がカッチー最大の魅力だ。

 エヒトについて「まだ緩いところがあるから力をつけて、もう一段階パワーアップしてくれたら」とさらなる飛躍の可能性を語ったカッチー。このコンビが再び大舞台で活躍する姿を見たいと願っているファンは少なくないはずだ。

 ◆エヒト 父ルーラーシップ 母ヒーラ(母の父ディープインパクト)17年5月9日生まれ 牡5歳 栗東・森厩舎所属 馬主・平井裕氏 生産者・北海道日高町の白井牧場 戦績21戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億1760万2000円 馬名はドイツ語で「本物」の意味。

 【七夕賞アラカルト】

 ☆森師 七夕賞は95年フジヤマケンザン以来27年ぶり2勝目。JRA重賞はニュージーランドT(ジャングロ)に続き、今年2勝目で通算48勝目。

 ☆血統 ルーラーシップ産駒は延べ6頭目の出走で初勝利。JRA重賞はマイラーズC(ソウルラッシュ)に続き、今年3勝目で通算23勝目。

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