【下関・G2ボートレース甲子園】深谷が初制覇 鮮やかイン完封劇、施行者希望枠Vも初

[ 2022年7月11日 05:00 ]

ボートレース甲子園を制した深谷        
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 深紅の優勝旗が初めて東海地区に渡った。ボートレース下関G2「第4回全国ボートレース甲子園」優勝戦は10日、12Rで争われ、断然人気の深谷知博(34=静岡)が逃げて優勝した。G2は初制覇で、施行者希望枠で出場した選手のVも大会初。来春のSGボートレースクラシック(3月16~21日、平和島)出場権利も獲得した。地元の白井英治が2着。昨年MVPの瓜生正義が3着に入った。

 助走距離が100メートルを切る深い起こしも、トップスタート4連発中だった深谷には関係なかった。最後はトップスタートではなかったが、捲られないだけの踏み込みを決めて1マークを先取りし、残る5艇に付け入る隙を与えず。3日目から負けなしの5連勝で一気に頂点まで駆け上がった。

 「もう少し深い位置からも練習していたし、想定はしていた。全速でスリットを通過できたけど、調整が甘くてスリットからの足がもう少しだったし、1マークもターンを漏らしてしまった」

 調整は完璧ではなかった。それでも圧倒的有利な1枠、インコースを生かして、施行者希望枠として初のボートレース甲子園制覇を達成した。思い返せば、タイム差までもつれ込んだ茅原との予選トップ通過争いを制し、予選トップ通過を果たしたのが最後まで利いた。「目の前の一個、一個のレースできっちりと仕事をする」と話した深谷に勝利の女神がほほえんだ。

 20年10月のボートレースダービーでSG初制覇を飾ってからでは、これが特別戦の初V。下関では17年11月のG3以来、2度目の優勝になった。

 「自分にとっては(どのグレードの優勝も)一緒だと思っている。下関は地元の浜名湖に似ている感じで相性がいい。ダービーの時は無観客だったけど、今回は多くのお客さんの前で結果を出せてうれしい」

 詰めかけた大勢のファンの前で満面の笑みを浮かべた。次走はSG尼崎オーシャンカップ(19~24日)。来月には地元の浜名湖で開催されるSGメモリアル(8月23~28日)も控える。

 「オーシャンにいい流れで行ける。地元SGもあるし、自分のベストを出し尽くして結果も出せれば」

 一走入魂を貫いて暑い夏をさらに熱くさせる。

 ▽優勝戦VTR スタート展示の12346・5から本番の進入は変わった。白井が他艇の抵抗も何のそので素早くボートを向ける。162・345となり、深谷と白井の起こしは100メートルをわずかに過ぎた位置。スタートで新田が飛び出すが、深谷も白井も伸び返す勢い。深谷が先に回り、白井が定石通り差した。ただ、深谷はややターンが膨れ気味。それでも節イチ足はすべてを補う。バックで伸びて白井を振り切った。

 ◇深谷 知博(ふかや・ともひろ)1988年(昭63)4月1日生まれ、静岡県出身の34歳。静岡支部の103期として08年11月に浜名湖でデビュー。11年11月の芦屋一般戦で初優勝。SG1Vを含む通算37V。同期は古沢光紀、小野生奈、渡辺和将ら。1メートル64、血液型A。

 《次走》深谷知博、馬場貴也、佐藤翼、瓜生正義、白井英治は19日からの尼崎SGオーシャンカップで原田幸哉、池田浩二、菊地孝平、石野貴之、毒島誠、遠藤エミら強豪と優勝を争う。新田雄史は20日からの児島一般戦で佐々木和伸、石塚久也、大峯豊、岡村慶太、石丸海渡らと相まみえる。

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2022年7月11日のニュース