【宝塚記念】“切れが止まらない”アリーヴォ出番!

[ 2022年6月22日 05:30 ]

坂路でキャンター調整するアリーヴォ
Photo By 提供写真

 予想の重要ファクターである展開を、さまざまな角度から分析するG1企画「展開王~前か後ろか」。上半期を締めくくるグランプリ「宝塚記念」は、時季的に特殊な傾向がある難解G1。初回は“末脚”に注目。キーワードは「切れないが止まらない」。過去の傾向と好走イメージに合致する馬はアリーヴォだ。

 宝塚記念は春シーズンの最終盤、しかも雨の多い時季に行われる。例えるなら勤続疲労が蓄積したタフな馬場。特殊な状況でも伸びる末脚が好走の鍵だ。

 現行のBコース開催となった11年以降、レースで上がり3F最速をマークした馬は、昨年まで一度も連対を外していない。最も速かったのは15年2着デニムアンドルビーの34秒0。決め手は必須条件だが、近年のG1では当たり前となった3F33秒台の切れる脚は必要ない。瞬発力より持久力が問われるのは明らか。その一方で逃げ切りは皆無。好位~中団で我慢して、後半でしっかり脚を使えないと苦しい。期間内の馬場別の上がり平均値は良馬場が34秒7、やや重が35秒7。この数字を分析の指標とする。

 切れないが、ライバルが苦しくなったところで、もうひと脚使える馬。イメージに合うのはアリーヴォだ。同馬は初勝利以降、距離が長かった菊花賞(7着)を除けば芝で【5・1・2・0】。その全てでレース最速か2位の上がりをマークしている。33秒台は一度もなく、馬場別平均値は良馬場34秒6、やや重35秒0。前述した指標をクリアする。5戦5勝の小倉巧者。ローカル小回り向きは間違いないが、前走・大阪杯では最速3F35秒0で上がって首+鼻差3着。東京の天皇賞・秋なら疑問符がつく数字だが、少なくとも阪神内回りならG1で通用する資質は示したことになる。

 今年は恐らくパンサラッサが逃げる。楽に行かせれば厄介なのは、衆目の一致するところ。タイトルホルダーを中心とする番手グループも早めに動かざるを得ない。そうなれば消耗戦。好位集団を見ながら運び、切れないが止まらない脚を使うアリーヴォには、願ってもない展開となる。唯一の不良馬場だった柳川特別では、最速でも3F37秒5という我慢比べで、しぶとく1着同着。週末の天候は微妙だが、仮に道悪になっても狙える一頭だ。

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2022年6月22日のニュース