国枝師 記録と記憶継承するため「藤沢和雄」の名をレース名にすべき

[ 2022年2月28日 05:30 ]

ビートエモーションに騎乗した川田(左)を出迎える藤沢和師(撮影・郡司 修)
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 藤沢先生のニックネームは「藤さん」ですが、私は「富士山」のつもり。高くそびえた日本一の調教師。後輩調教師の目標であり指針でもあるのです。

 お互い調教助手だった時代から40年以上。当時から競馬に対してやけどするほど熱い。英国で学んだスタイルを実践。例えばラッド(調教騎乗もできる厩務員)やフィードマン(馬糧専門スタッフ)。ラッド制の導入で厩舎に乗り手の数が増え、引き運動から乗り運動主体に変わるきっかけになった。そういう改革案を周りの人間を動かしながら実行に移してきた。馬だけでなく人のモチベーションを上げる能力もたけている。

 競馬サークルはもちろん、ファンにも多大な影響を残し、競馬の歴史に足跡を刻んだフジさん。その記録と記憶を次代へ継承するためにも、藤沢和雄の名をレース名にすべきです。JRAには「藤沢記念」、「藤沢和雄ステークス」の創設を要望しています。「富士山」と呼んできた希代のホースマンを語り継いでいくために…。(JRA調教師)

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