【フェブラリーS】テイエムサウスダン “完成の域”坂路ラスト1F11秒9!岩田康が自ら闘魂注入

[ 2022年2月17日 05:30 ]

岩田康を背に坂路で追い切るテイエムサウスダン(撮影・亀井 直樹)
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 冬の東京ダート決戦「第39回フェブラリーS」は激戦必至の組み合わせ。16日、出走予定馬が美浦&栗東の東西トレセンで追い切った。交流重賞4勝に加え、前走・根岸SでJRA初タイトルをつかんだテイエムサウスダンが勢いに乗ってG1へ。栗東坂路の追い切りは岩田康と息ピッタリ。絶好の仕上がりで本番を迎える。17日に出走馬が確定する。

 テイエムサウスダンに呼称を一つ進呈するなら“叩き上げのヒーロー”はどうだろう。従来はローカル重賞をひのき舞台としてきたが、前走の根岸Sで初めてJRA重賞を手にしたことでキャラは一変!さらにフェブラリーSでダート界の天下獲りにまで至れば痛快すぎる物語だ。

 坂路単走の最終追いは全体(4F)が52秒フラットでラスト1Fは11秒9。引き締まったタイムだ。1年をかけて七変化させてきた岩田康は「G1なので悔いが残らないよう、目いっぱいに仕上げたつもり。これから3日間で調整できると思う」と、闘志を注入した内容だと明かした上で、これまで同様に追い切り後から本番までの数日のサジ加減にも関わってピークに持っていく自信をにじませている。

 岩田康は12年フェブラリーSで7番人気テスタマッタに騎乗、末脚をフルに引き出して勝利に導いた。当時は根岸S(3着)から本番への変わり身に腕達者ぶりを発揮したが、テイエムサウスダンの場合は既に前哨戦の根岸Sを勝利していることから当時とは注目度が違う。 

 「馬体重であり筋肉量、プラス瞬発力、全部つけられたかな」と、成長ぶりに寄り添ったとし、実績のない1600メートルの距離には「距離が持つとか、持たないとかは人が決めること。持つだろうし、持たす気持ちで挑んでいきます」と熱い言葉が振るっている。

 指揮官・飯田雄師は「昨年、地方交流で頑張ってくれて、いずれは中央でも…と思っていた。根岸Sで勝ててG1に挑めるのをうれしく思います。どこまで戦えるか楽しみ」と静かな口調ながら人馬にエール。一度、世に出た叩き上げに怖いものはない。既成勢力が警戒心を強めるのは、この手のタイプだ。

 【同コース根岸S組が好走】フェブラリーSの前哨戦としてはやはり同じ東京コースで行われる根岸Sが最有力。過去10年で16年モーニン、18年ノンコノユメ、20年モズアスコットの3頭が根岸Sから連勝を飾っている。昨年は根岸Sで2着に食い込んだ8歳馬ワンダーリーデルが8番人気3着。根岸Sの好走馬は人気薄でも警戒が必要だ。

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2022年2月17日のニュース