内野艶和は「二刀流」クイーンの有力候補 久留米から競輪のスター、そして24年パリ五輪目指す

[ 2021年11月3日 05:30 ]

青空の下自転車を手にする内野艶和(撮影・中村 達也)
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 ガールズケイリンの宝庫・久留米に“二刀流”クイーン候補がいる。5月にガールズケイリン選手としてデビューした内野艶和(19、つやか)。福岡・祐誠高3年時にジュニア世界選手権トラックの女子ポイントレースで優勝。日本人女子として同大会同種目を初めて優勝した世界チャンピオンだ。パリ五輪を目指し、自転車競技と競輪の二足のわらじを履く“金の卵”に意気込みを聞いた。(小野 祐一)

 世界女王の肩書を背負った内野がガールズケイリンの世界に飛び込んだ。自転車女子中長距離界のスター候補は順風満帆な選手生活をスタート。だが兼業は甘くない。競輪では思うような結果が残せずプロの洗礼を浴びている。「最近は競技と競輪で気持ちの切り替えができていない。瞬発力系の練習ができず自信がないまま走っていた」。中長距離と競輪では求められる能力が違うため四苦八苦しているが、一心不乱にペダルをこいでいる。

 自転車競技に“一目ぼれ”したのは、ちょっとした興味がきっかけだった。小学、中学時にはバスケットボール一筋だったが、福岡県のタレント発掘事業を通じて初めて競技用の自転車にまたがった。東京五輪自転車競技トラック種目の開催地・伊豆ベロドローム(静岡)で、いきなり最大傾斜角度45度のトラックを走らされたが「凄いスピードが出た。なんだこれ?楽しい」。風を切る爽快感に心を奪われ、人生のターニングポイントとなった。

 自転車競技の名門・祐誠高へ進学。上昇カーブの成長曲線を描き、3年時に初出場したドイツでのジュニア世界選手権トラックの女子ポイントレースで日本人初制覇。自宅から高校まで往復約80キロを自転車通学した練習の虫は世界の頂点に上り詰めた。

 パリ五輪を目指しナショナルチームに最年少で在籍。伊豆で1人で暮らしながら3年後の夢舞台を目指している。同じ中距離では梶原悠未(24=筑波大大学院)が東京五輪の自転車トラック女子オムニアムで銀メダルを獲得。偉大な背中を追い掛けながら「行動を見ている。休憩時間は何をしているか。補食は何を食べているか」と一挙手一投足に熱いまなざしを向け、どんなことでも吸収しようとしている。

 一方で競輪に目を向ければ姉弟子に同五輪のトラック短距離日本代表の小林優香、ガールズケイリンで人気、実力ともにトップの児玉碧衣がいる。最高の環境下でどこまで二刀流を極められるか。自身の性格を「めちゃくちゃ負けず嫌い」と言う19歳は前だけを見つめて風を切り裂く。

 ◇内野 艶和(うちの・つやか)2002年(平14)1月13日生まれ。福岡市出身の19歳。祐誠高卒。120期養成所成績第3位。師匠は藤田剣次(85期)。好きな食べ物は肉じゃが、焼き肉。1メートル62。血液型O。

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