池上師 牝馬2頭で初重賞獲り!気鋭の46歳、夏競馬ラストで念願かなえる

[ 2021年9月1日 05:30 ]

新潟記念で重賞初挑戦するパルティアーモ(左)と新馬戦勝利で波に乗るソリッドグロウ
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 夏競馬ラストデーの「9・5」は池上デーになりそうな予感。新潟フィナーレを飾るサマー2000シリーズ第5戦「第57回新潟記念」には充実一途の5歳牝馬パルティアーモが重賞初挑戦。一方、函館新馬戦で7馬身差圧勝を飾ったソリッドグロウは「第41回小倉2歳S」で関東馬初勝利の偉業に挑む。管理する池上昌和師(46)は念願のJRA重賞初Vチャンスだ。

 池上厩舎の牝馬2頭が夏競馬ラストを飾る東西重賞で重賞初Vを狙う。新潟記念は地道に走ってきた5歳馬パルティアーモ。小倉2歳Sは函館新馬戦を勝ったばかりの2歳馬ソリッドグロウ。キャリアや距離適性を含め、対照的な僚馬だ。

 パルティアーモは通算14戦目で初の重賞挑戦。池上師は感心した表情で切り出した。「毎回ちゃんと結果を出してくれるし、思っていた以上の競馬をしてくれる。本当に偉い馬です。この馬には頭が下がります」

 19年5月の3歳未勝利戦(新潟芝2200メートル)勝利から前走まで9戦、全て掲示板入りしている堅実派。地道に階段を上がってきた。前走・メトロポリタンS(2着)で指揮官は地力強化を再確認した。

 「速い流れの中で2番手を進み、結果的には差されたが、最後までしっかり走ってくれた。スパッとは切れないけど、長くいい脚を使うのが長所でしょう」

 前走後は放牧を挟んでここへ。指揮官は「クラスが上がるにつれてダメージもそれなりに残る中で間隔を取り、夏の後半には使えそうと。もっと距離はあっていい馬ですが、新潟2000メートルで条件戦を勝っているので」と参戦経緯を語った。新潟芝は初白星を含め【3・1・1・1】。新潟2000メートルは19年夏の糸魚川特別、昨夏の弥彦特別でV。夏の新潟競馬の顔だ。ハンデ52キロについても「53キロぐらいと思っていたので良かった」とニコニコ顔。悲願の重賞初Vのお膳立ては整っている。

 一方、3歳後輩のソリッドグロウは7月31日の新馬で7馬身差の逃げ切りVを飾ると、一気に南下して小倉2歳Sへ。前走後はノーザンファーム天栄(福島)で放牧。ノーザンファームしがらき(滋賀)を経由し、8月25日に小倉入りした。「短期間での日本縦断。その点は気になったが、小倉到着初日こそ牝馬らしいピリピリした面を見せたが、その後は落ち着きました」と説明。続けて「気持ちの面も含めこれからの馬ですが、スピード能力があるのは新馬からも確かなので」と期待を寄せた。

 15年開業の池上厩舎にとって、2頭のいずれかが勝てば、念願のJRA重賞初V。10分刻みでスタートする同じサンデーレーシングの勝負服。夏の終わりに、珠玉の快走を見せてくれそうだ。

 《延べ31頭挑戦もあと一歩…》15年開業の池上厩舎はこれまでJRA重賞に延べ31頭を送り、15年スポニチ賞ステイヤーズS2着(カムフィー)、19年ニュージーランドT3着(ヴィッテルスバッハ)とあと一歩。重賞挑戦32頭目のソリッドグロウ、同33頭目のパルティアーモで悲願成就に挑む。

 ◇池上 昌和(いけがみ・まさかず)1974年(昭49)10月6日生まれ、東京都出身の46歳。早大理工学部卒。15年3月開業、同5月2日の東京7Rインスタイルで初勝利。JRA通算1511戦89勝。父・昌弘氏は元騎手、元調教師で、騎手時代にはトウショウボーイで皐月賞を勝った。

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