【浜名湖・クイーンズC】平高 5度目挑戦で悲願の初女王 前付け焦らず逃げ切り「100点満点」

[ 2021年1月1日 05:30 ]

<クイーンズクライマックス最終日>優勝戦を制した平高奈菜は表彰式で笑顔でVサイン(撮影・村上 大輔)
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 ボートレース浜名湖のプレミアムG1「第9回クイーンズクライマックス」は12月31日、第12Rで優勝戦が行われた。1号艇の平高奈菜(33=香川)がインからコンマ01のトップスタートを踏み込んで逃げ圧勝。5度目のG1ファイナル挑戦で悲願の初制覇を飾った。優勝賞金1500万円を加算し、今年の獲得賞金は5000万円を突破。20年女子賞金ランキング1位の座も獲得した。同時開催のG3シリーズ戦は第11Rで優勝戦が行われ、1号艇の海野ゆかり(47=広島)が竹井奈美のツケマイを受け止めて逃げ切った。

 数々の試練を乗り越えた先に諦めかけたG1タイトルがあった。トライアルをオール連対でクリアし、ポールポジションを手に入れた平高。だが、朝のスタート特訓から遠藤が前付け。「嫌だなあ、と思ってモチベーションが下がった」と振り返った。それでも終わってみればコンマ01のトップスタートを踏み込んで快勝。残る5艇を寄せ付けることなく逃げ切った。

 「男女混合戦を走る機会が多くて、しょっちゅう前付けを受けて鍛えられていたのが良かったのかな。それに遠藤さんが動くから緊張どころじゃなかった。レースは100点満点」

 逆境を力に変えられたのは、浮き沈みの激しいレーサー人生を歩んできたからだろう。デビュー当時から注目を集めた逸材は4年目でSG初選出。順調な成長カーブを描いてきた。その一方でG1、G2の優勝戦は2着止まり。後輩たちに次々と先を越された。

 「4、5年前かな。自分はG1を勝てるような星の下に生まれなかったんだろうと思うようになった。今回の優勝戦もタイトルを持っている人ばかりで寂しくなったし、年々しんどくなっていった」
 
今年も例に漏れず、波乱に満ちた一年だった。キャリアハイとなる年間4回のSG出場を達成。後期は自身初の女子勝率1位に輝いた。その一方で6月に右腕の橈骨(とうこつ)と尺骨を骨折。良かった流れが完全に断ち切れてしまった。それでも「いろいろなことを経験したので面白かった」と前向きに捉え、11月の若松で復帰後初V。蒲郡G2レディースチャレンジCでも優出し、賞金4位で2年連続5回目のクライマックス出場を決めた。

 この優勝により、女子賞金トップの座を獲得。来年3月のSGクラシック出場権も手に入れた。「ケガをしても焦らなかったのが良かったのかも。来年はターンの技術を磨いて上の舞台で活躍したい」。呪縛から解放された新女王は21年も前進し続ける。

 ◆平高 奈菜(ひらたか・なな)1987年(昭62)7月7日生まれ、愛媛県松山市出身の33歳。香川支部の100期生として07年5月まるがめでデビュー。10年9月の津一般戦で初優勝。通算23V。主な同期は桐生順平、宮地元輝、鎌倉涼。1メートル60、47キロ、血液型B。

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