記者になって知った“レジェンド”今村の本当の偉大さ

[ 2020年10月9日 05:30 ]

今村豊、現役引退

涙をこらえながら会見する今村豊(撮影・篠原岳夫)
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 【記者フリートーク】今でも鮮明に思い出す。現役選手は年に1度“定期訓練”のため訓練所に戻ってくる。ある日、今村選手を食堂で見つけた私たち59期生は「あそこ、あそこ。本物だよ」と、気がつかれないよう声を殺して大はしゃぎをしたものです。

 死語となりつつある“石の上にも三年”。デビューから数年は6コースから勉強。新人に厳しい競技だったため、大外から記念で勝ちまくる今村選手は私たちの希望の星。体重制限がなかった当時の今村選手は45キロ前後。線の細さに戦々恐々、同時にただならぬオーラに圧倒されたものです。

 強いだけではなかった。記者に対する真摯(しんし)な受け答え、時間が空けばユーモアたっぷりに雑談のサービス。記者対応もズバぬけている人格者だった。昭和の殺伐とした勝負の世界で出るくいを打たれることなく駆け抜けてきた大スター。本当の偉大さは記者になって知った。【ボートレース担当・梁島幸子】

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2020年10月9日のニュース