冷夏には“重い馬”を買え!夏競馬の波乱立役者は「大型馬」「負担重量重い馬」

[ 2020年8月4日 05:30 ]

夏競馬の自由研究

<中央競馬>冷夏と猛暑の馬体重別の勝率と負担重量別の勝率(※全て6月30日~9月30日)
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 涼しい夏は“重い馬”を買え!長引いた梅雨の影響で冷夏ムードの今年の夏。同じく夏の平均気温が低かった93&03年のデータを検証し、現場からも証言を集めたところ、分かりやすい傾向が見つかった。キーワードは「大型馬」「負担重量の重い馬」。荒れっぱなしの平地重賞に頭を抱えるあなた。攻略法が見つかりましたよ!

 JRA平地重賞は1番人気が10連敗中と大荒れ模様。攻略の手掛かりは何だ。美浦で頭を悩ませていると新開師が何気ない会話の中に大きなヒントをくれた。「うちにも夏に弱い馬がいるけど今年は元気だね。特に大きくてゴツい馬は暑さに弱い傾向があるから」。会話を交わした7月30日朝のトレセンは気温21度。小島師は「昨日まで札幌にいたのですが、ほぼ変わらないくらい涼しいですね」と驚いていた。例年より2週間弱も延びた今年の梅雨。暑さに弱い競走馬たちが快適に7月を終えた。どうやら、ここに馬券の鍵が隠されている。

 それならと前回、日本が冷夏に見舞われた93年と03年夏のデータを調査。93年は記録的な冷夏で日本中が米不足に陥った。両年とも競走馬にとって過ごしやすい夏。トウカイテイオーもシンボリクリスエスも快適だったはず。そこには面白い傾向が眠っていた。

 (1)冷夏=大型馬快走 冷夏だった93年夏の馬体重別勝率を見てほしい。480キロ~499キロ、520キロ~539キロ、540キロ~の馬が勝率10%を突破。03年も520キロ~539キロが同10%を超えた。400キロ~459キロあたりの馬と比較すると強さが明確に分かる。一方、猛暑の昨年は440キロ~459キロが8・3%で最高。500キロ超の馬は軒並み10%を割った。「冷夏=大型馬を買え」は間違いない。7月19日の中京記念はメンバー中、最も重い538キロのメイケイダイハードが最低18番人気でV。事前に知っていれば…。

 (2)冷夏=酷量でも買える 負担重量も調査。おおっ、これはもっと分かりやすい。冷夏の93年、03年とも57・5キロ超が圧倒的な好成績をマークしている。49キロまでの“恵量”ホースの成績は惨たんたるもの。一方、猛暑の昨年は正反対。49キロまでの馬が勝率10%に届く勢い。57・5キロ超の馬の勝率は下がる。7月12日のプロキオンS。最も重い59キロを背負ったサンライズノヴァがV。同馬は530キロで法則にダブルで当てはまった。このデータに反応したのが和田正師。「面白いです。確かにそういう感覚はある。暑さでバテやすい大きい馬や重量を背負った馬が(猛暑では)勝ちにくい傾向はあるかもしれない」とうなずいた。

 梅雨が明けて一気に暑くなる可能性もあるが競走馬が今年の7月を快適に過ごしたことは事実。調整が例年よりスムーズなことは間違いない。今週末のレパードSは前走を500キロ台で走ったミヤジコクオウ、エルムSはメンバー最重量58キロを背負うアナザートゥルースあたりが狙い目か。今夏の出馬表はまず“重さ”から目を通す。これが馬券攻略の近道だ。

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