【スプリングS】ヒューイットソン 伏兵ガロアでお見事V!22歳若き“イケメン”南ア所属初の重賞制覇

[ 2020年3月23日 05:30 ]

<スプリングS>レースを制したガロアクリーク(左端)(撮影・郡司 修)
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 南アフリカの若きイケメン騎手ライル・ヒューイットソン(22)が、同国所属騎手としては初のJRA重賞制覇を飾った。皐月賞トライアル「第69回スプリングS」が22日に中山競馬場で行われ、6番人気のガロアクリークが直線横一線の攻防を制して重賞初制覇。2着ヴェルトライゼンデ、3着サクセッションまでが皐月賞(4月19日、中山)の優先出走権を獲得した。また「第68回阪神大賞典」は2番人気のユーキャンスマイルが3つ目の重賞制覇。天皇賞・春(5月3日、京都)で悲願のG1タイトルを狙う。 レース結果

 南アフリカのヤングジョッキーが、ガロアクリークの馬上で何度もガッツポーズをして引き揚げてきた。端正な顔は興奮で紅潮している。7日から短期免許で騎乗しているヒューイットソンが、日本でのうれしい重賞初制覇だ。「タフなメンバーだったけど、追い切りの感触が凄く良かったので、自信を持って乗った。日本のG2を勝てて光栄」と笑みが絶えなかった。直線入り口では6頭が横一線に並ぶ大混戦。ヨーイドンの末脚比べは、ヒューイットソンの叱咤(しった)に応えたガロアクリークが、ひと追いごとにグイグイ伸びて抜け出した。

 上原師はスプリングS初制覇となったが、04年の当レースを思い出していた。3着に入ったダイワメジャーだ。「人気のなかったスプリングS(11番人気)で権利を獲って、次の皐月賞で優勝した。何としても3着は外さないようにきつく言っておいたんだけど、勝ってしまったね。次のレースが楽しみ」。ダイワメジャーは皐月賞で10番人気の低評価を覆してV。上原厩舎にとっても初のG1タイトルだった。その後も4つのG1タイトルをもたらし、厩舎の看板馬として大活躍した。

 父は10、11年高松宮記念連覇のキンシャサノキセキだが、ガロアクリークは2000メートルの新馬戦勝ち。2戦目にホープフルS(11着)を選ぶなど、以降も2000メートル以上のレースを使われてきた。上原師は「体が柔らかくて、飛びがきれいだから、ゆったりした競馬の方がいい。ホープフルSの頃は子供っぽさがあったけど、今週の追い切りでは凄く落ち着いていた。G1を経験してどんどん良くなっている。(本番で)1F延びても大丈夫だと思う」と、皐月賞を見据えた。

 ヒューイットソンは「次は大きいレース。一緒に向かえる馬がいるのはうれしい。チャレンジャーとして一緒にトライしたい。チャンスをくれた厩舎に感謝したい」とコンビ継続を熱望。上原師は「折り合いもついていい感じだった。追い切りでいい感触を持っていたし、自信を持って乗ってくれた。次もこのままで」と評価。04年はM・デムーロがダイワメジャーをG1制覇に導いた。今度は南アフリカの若武者に命運を託す。

 ◆ガロアクリーク 父キンシャサノキセキ 母ゴールドレリック(母の父キングマンボ)牡3歳 美浦・上原厩舎所属 馬主・水上行雄氏 生産者・北海道浦河町の笠松牧場 戦績4戦2勝 総獲得賞金6322万8000円。

 ≪ライル・ヒューイットソンという男≫
 ▼若き天才 1997年10月30日、南アフリカ出身の22歳。JRA騎手では藤田菜七子らと同学年に当たる。
 ▼サラブレッド 父・カール氏は英国、南アフリカ、マレーシアなどで騎乗した元騎手。父同様に世界を駆け回る。
 ▼ハンサム 彫りの深い端正な顔立ちで1メートル66、53キロと見た目はスマート。身元引受調教師の国枝師も「顔がいいし、女性ファンに人気が出ると思うよ」と太鼓判!?
 ▼G1・6勝 15/16年シーズン途中に騎手デビューし、初のフル参戦となった16/17年にいきなり124勝を挙げ見習騎手チャンピオン。17/18年184勝、18/19年219勝で2季続けて同国騎手リーディングを獲得している。G1は18年に初Vですでに通算6勝(全て南アフリカ)。
 ▼きっかけ 香港でG1・3勝をマークしたモーリスの活躍を見て来日への思いを強めた。「日本にはこんな強い馬がいるのかと」。JRA通算49戦8勝(22日終了時点)。

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