【AR共和国杯】人馬ともに“東京苦手”を払しょくだ!清水久厩舎の久保春太助手&パリンジェネシス

[ 2019年11月1日 21:06 ]

アルゼンチン共和国杯に挑むパリンジェネシスと久保助手(撮影・亀井 直樹)
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 春の悔しさを晴らすチャンスがやってきた。話は5カ月前にさかのぼる。ダービーデーだった5月26日の東京12R、目黒記念のパドックに姿を現したパリンジェネシスを引いていたのは、前日の輸送に付き添っていた担当の久保助手ではなかった。その時、彼がどういう状況だったのかは本人に振り返ってもらおう。

 「前日に他の助手さんが2頭出ししているレースがあって、そのうちの1頭を手伝いで引っ張ったんですが、地下馬道で前の馬に蹴られてしまって……。“あっ!”と思った時には馬の尻が目の前にあって、次の瞬間には倒れてました」

 “事件現場”はファンがガラス越しに地下馬道を見られるホースプレビューの近くだった。「ネット上に“厩務員が蹴られた”と書き込みがあったと、知り合いから聞かされました。地下馬道で人生初の救急車に乗りましたよ」と苦笑いで明かす。肋骨の粉砕骨折に加え、脾臓(ひぞう)がつぶれるという重傷だったが、3週間で現場復帰。今では以前と変わらぬ姿で馬にまたがっている。そして今週末のアルゼンチン共和国杯にはパリンジェネシスで参戦する。

 「目黒記念は突かれて厳しい競馬を強いられたし、前走の京都大賞典は出遅れが全て。競馬をしてないですね。具合は本当にいいし、リズム良く前々で運べたら……。実は目黒記念の前のメトロポリタンSも雹(ひょう)で中止になってるんです。東京には苦い思い出ばかりだけど、何とか払しょくしたいですね」

 このまま終われるはずがない。自身、あの時以来となる東京で、必ずや雪辱を果たしてみせる。

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2019年11月1日のニュース